料金は、普通車指定席の通常期から520円引き。駅の「みどりの窓口」などのほか、乗車前日からは駅の指定券券売機でも入手可能だ。

 お盆時期などには自由席の大混雑も予想され、東京などの始発駅では、長時間並んでも座席の確保ができないばかりか、すし詰め状態ということも考えられる。

 立席特急券は座席がないものの、列車指定で発売枚数も限定されるため、長時間の行列や極端な混雑からは解放されるというメリットがある。また、前述した「はやぶさ」などの速達タイプ列車が利用できるという利点も捨てがたく、利用価値の高いきっぷといえるのではないだろうか。

■盛岡以北相互間で発売される「特定特急券」と仙台~盛岡間の特例

 一方、北海道新幹線を含む盛岡以北は「はやぶさ」と「はやて」のみの運行で、自由席がない。秋田新幹線の盛岡~秋田間も同様で、「座席の指定ができないけど、どうしたらいいの?」と途方に暮れる人もいるはずだ。

 でもご安心あれ。これらの「東北・北海道新幹線の盛岡~新函館北斗間」と「秋田新幹線の盛岡~秋田間」には、列車、座席を指定しない「特定特急券」が発売されている。該当区間内に限り指定席特急券がなくても普通車に乗車可能で、空席があれば着席できる。

 こちらは先の立席特急券とは異なり、駅窓口や指定券券売機などで常時発売されている。

 また、仙台~盛岡間も事前予約がないと、いまひとつ不便を感じることがあるかもしれない。市販の『時刻表』などでお気づきの方もいるかもしれないが「やまびこ」は、東京~仙台間という列車が多いため、仙台~盛岡間では自由席のある列車が減ってしまうのである。

 しかし、ここでも特例がある。「はやぶさ」と「はやて」の一部列車では、この区間内に限って「自由席特急券で、普通車指定席車両に乗車できる」というものだ。この条件は仙台~盛岡間の途中駅に停車する列車となり、同区間を無停車で通過する列車には適用されない。

 なお、この特例は「こまち」(「はやぶさ」との併結列車を含む)には適用されないので、乗車の際には注意しておきたい。

 指定券類はキャンセル分を入手できることもあるが、運次第という面もある。このような特例などを知っておくと、イザというときに旅の快適さをサポートしてくれるかもしれない。(文/植村 誠)