――どういうことですか?

若月:アホというよりも、ドジのほうが正確かもしれません。例えば、乃木坂46ではメンバー同士でお母さんのアホエピソードを披露することがよくありました。そのなかで印象に残っているのは、秋元真夏のお母さん。
ある日、真夏のお母さんが「新しいバッグを買ったの」と見せてきたそうですが、自慢げに掲げたバッグがまさに今、肩にかけているものと同じだったことがあるそうで(笑)。その様子を動画にとってくれていたのですが、見て大笑いしてしまいました。

――話を聞いていると、人間関係に恵まれていますね。

若月:そうなんです。それが私の自慢です。死ぬときに、いい人ばかりのいい人生だったなと思いながら息を引き取るのだろうと思います(笑)。

■観察と体調管理が最良のパフォーマンスを生む

――若月さんは2018年11月に乃木坂46を卒業し、女優として活躍しています。グループアイドル時代と比べて、なにがいちばん変わりましたか。

若月:アイドル時代は、歌やダンスが生活の中心にありました。その時間を、舞台や映画を見ることにあてて、演技の幅を広げようと努力しています。また、今までよりも友だちや仕事仲間など、周りの人を観察するようになりました。役との近い部分を見つけて、演技に反映するためです。個性的な乃木坂46のメンバーも、お芝居のヒントにさせてもらっています。

――どんな女優になりたいでしょうか?

若月:私はまだ女優として歩き出したばかりなので、いろいろな役を演じていきたいと考えています。自分で枠を固定することをせず、私を指名してくださるスタッフの期待に応えながら、はまり役に出会えるとうれしいですね。

――パフォーマンスを最大にするために、気をつけていることはありますか?

若月:体調管理には気を使っています。体調が悪いせいで、仕事に対して真剣に向き合えないのは失礼だし、もったいないことだと思いますから。
あとは、パフォーマンスを一定にするために、早めに起きることも心がけています。アイドルのころは、朝一で歌やダンスのリハーサルが入ることが多かったんです。そうすると、眠い状態で現場入りしても、声を出して体を動かすうちに、目を覚ますことができました。でも、今は最初から本番の仕事も増えています。だから、時間に余裕を持って布団から出て、頭と体を目覚めさせるように心がけています。

――最後に、この記事を読む、日々頑張っている皆さんにメッセージをお願いします。

若月:誰かに肯定されることを望むよりも、自分が自分を肯定してあげてください。誰かが認めてくれるのを待っていると、それが叶わなかったときに、自分を支える根底が崩れ落ちてしまいます。その前に、自分をがんばったと褒めてあげると、次の一歩を踏み出す原動力になります。ぜひ自分を責めずに、前を向いて進んで行きましょう!(取材・構成/星政明)