気がつけばいなくなった「ひとりで歌うアイドル」 転換期は広末涼子のデビュー年だった

2019/05/03 07:00

 彼女は長続きしている理由について、

「昭和の頃に活躍したような古き良きアイドルを愛し、その姿勢を貫いているアイドルは他にいないので、大切にしてくれているというのもあるでしょうか」

 と、分析している。そして、アイドルに必要なのは生活感より、ファンとの距離感であることから、SNSにプライベートは明かさず、特定のファンとの交流もしないという。

 そこで思い出されるのが、NGT48の一件だ。あれはグループの仲良し感と「会いに行けるアイドル」という、ふたつの幻想のほころびを感じさせた。山口真帆のように、集団のなかで浮いたり嫌われやすかったりする子は必ずいるわけで、そういう子にとっては、ひとりもしくは少人数での活動のほうが向いているのではないか。

 彼女みたいな子のためにも「ひとりで歌うアイドル」の復権があればと思うが、はたしてどうだろう。最近では、桜井日奈子が人材派遣会社「グロップ」のCMで披露した歌とダンスが素晴らしかったし、アニソン界ではアイドル声優のルックスが向上したおかげでひとりで歌う文化がむしろ成熟中。需要はまだまだあるはずだ。

 令和の百恵や聖子の登場、その活躍を期待したい。(宝泉薫)

■宝泉薫(ほうせん・かおる)1964年生まれ。早稲田大学第一文学部除籍後、ミニコミ誌『よい子の歌謡曲』発行人を経て『週刊明星』『宝島30』『テレビブロス』などに執筆する。著書に『平成の死 追悼は生きる糧』『平成「一発屋」見聞録』『文春ムック あのアイドルがなぜヌードに』など。

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