谷繁元信以降、定まらない正捕手。岩瀬仁紀、浅尾拓也が引退したあとのブルペン。そして指揮を執るのは、未知数の与田剛・新監督。正直、不安要素は多い。しかしながら何事も過渡期には大きな変化、進化がいきなり現れることがある。イキの良い伸び盛りの若手も多い。

「今、チームは強くなる途中にいる。来日した時に比べチーム自体が良くなっている」

 18年のCS争い最中の9月にビシエドは語ってくれた。そして今年、来日直後には全試合出場を自らのノルマに課した。これらはすべてチームの可能性の大きさを身をもって感じているからだ。

中日が弱くなったのは練習しないから」と落合博満・前監督には酷評されたこともある。しかし伝統の猛練習も復活している。簡単に結果が出ることはないかもしれない。しかし18年、強かった広島に唯一、勝ち越したのが中日という事実を踏まえれば、何かを期待せずにはいられない。(文・山岡則夫)

●プロフィール
山岡則夫
1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌『Ballpark Time!』を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、編集・製作するほか、多くの雑誌、書籍やホームページ等に寄稿している。Ballpark Time!オフィシャルページにて取材日記を不定期に更新中。現在の肩書きはスポーツスペクテイター。