ーー京田の出塁が得点力アップのカギ

 中日の強みは「強竜打線」と呼ばれる伝統の打線。中核をなすのは大阪桐蔭高の後輩、日本ハム中田翔が「打撃だけはかなわなかった」と言う平田良介。18年は体質改善等を行い、リーグ3位の打率.329。ゴールデングラブ賞を獲得した外野守備とともに、まさに中日の顔と呼べる。

 そして首位打者、最多安打の二冠王を獲得したダヤン・ビシエド、来日1年目から.321の高打率、リーグトップタイの37二塁打を放ったソイロ・アルモンテの2人の外国人選手が続く。

 打線のキーマンは、一番打者に起用されそうな京田だ。中京学院大時代の巨人・吉川尚輝と大学日本代表で二遊間コンビを組んだ好選手で守備での実力は誰もが認めるだけに、京田の出塁率が高まれば自然とチームの得点も増す。

ーー左腕の復活と若手投手陣の踏ん張り

 課題はやはり投手力。松坂大輔の復活など話題はあったが、18年シーズン終盤まで可能性のあったクライマックスシリーズ(CS)進出を逃したのもやはり投手力の弱さ。先発、ブルペンとも近年は苦しんでいる。

 そんな中、希望の光は左腕王国を作れるだけの素材を揃えていることだ。6勝を挙げ、侍ジャパン入りした笠原祥太郎。エースとまで呼ばれながらも無勝利に終わった大野雄大。故障からの復帰を目指す小笠原慎之介。潜在能力抜群の彼ら3人の踏ん張りを待ちたい。

 右腕では松坂の復活が大きく取り上げられたが、吉見一起の存在も見逃せない。最多勝2回獲得の右腕は安定感が戻りつつあり、久しぶりの二桁勝利も期待される。この2人に加え、3年目の柳裕也、藤嶋健人などの若手投手が入って来れば試合は作れるはずである。

ーーチームの進化に手応えを感じるビシエドの本気度

 4連覇を目指す常勝軍団になった広島。巨大補強を敢行した巨人。地力がつきはじめたヤクルト。強力打線が売りのDeNA。長き伝統とファンの強烈なサポートがある阪神。セ・リーグは6球団どのチームにもチャンスはある。その中で、やはり総合的に見ると中日は苦戦を強いられる可能性があるだろう。

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広島に唯一勝ち越したというポテンシャルの高さ