夫婦円満=いい夫婦なのか?(※写真はイメージ)
夫婦円満=いい夫婦なのか?(※写真はイメージ)

 11月22日は「いい夫婦の日」。カップルカウンセラーの西澤寿樹さんが夫婦間で起きがちな問題を紐解く本連載、今回は「いい夫婦になる方法」について取り上げる。

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 いつからか11月22日を「いい夫婦の日」と呼ぶようになりました。いい夫婦って、どんな夫婦なのでしょうか。

夫婦円満=いい夫婦?

 確かに、その考えは一般的だと思います。いくつかの団体が、いい夫婦の日にちなんで調査をしていますが、明治安田生命の今年の調査結果を見ると、4人中3人が円満だとお答えになっています。その一方で「生まれ変わっても、もう一度同じ相手と結婚したい」は半数以下です。

「幸せ」というのは、「現状が十分満足で、現状を変えるモチベーションがない」という状態なので、3割以上の方は、円満ではあるけれど手放しで「幸せ」というわけではないようです。

 一方、いくつかの調査によると、日本の夫婦は半数近くかそれ以上がセックスレスだという結果が出ています。つまり、円満であっても、必ずしも「幸せ」ではなかったり、セックスレスだったりする夫婦が相当数いるということです。

 最近夫婦喧嘩がエスカレートしてきているというご相談でおいでいなった忠則さん(40代後半、ITエンジニア)は、私がカウンセリングのゴールをお聞きしたところ、こうおっしゃいました。

「特別なものを求めているわけじゃなくて、夫婦円満っていうじゃないですか。そんな普通な夫婦になりたいだけです」

 私が「夫婦円満ってどういう状態のことですか?」とお聞きすると

「会話があって、笑いがあって、思いやれる関係ですかね」

とおっしゃいます。この方は、サザエさん一家のような家庭を思い描いてらっしゃるのかもしれません。私は少々意地悪に、妻の順子さん(仮名、40代前半、事務職)がどんなに辛くても、それを見せずに我慢して、笑顔で会話するようになればOKですか?とお聞きしました。この質問に、中には「はい」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、忠則さんは、こう答えました。

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西澤寿樹

西澤寿樹

西澤寿樹(にしざわ・としき)/1964年、長野県生まれ。臨床心理士、カウンセラー。女性と夫婦のためのカウンセリングルーム「@はあと・くりにっく」(東京・渋谷)で多くのカップルから相談を受ける。経営者、医療関係者、アーティスト等のクライアントを多く抱える。 慶應義塾大学経営管理研究科修士課程修了、青山学院大学大学院文学研究科心理学専攻博士後期課程単位取得退学。戦略コンサルティング会社、証券会社勤務を経て現職

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