この二人の後に補強したいのは高校生投手だ。チーム全体の厚みを考える上では左右どちらでも良いとみるが、素材系、アスリート系の両面で絞っていくことになるだろう。

 素材系では米倉貫太(埼玉栄)が候補になる。ストレートの最速は146キロだが、変化球はスライダー、カーブなど6種類の変化球を操る。恩師は日本ハムを支えたダルビッシュ有を育てたことでも知られる若生正廣監督とあって将来を見据えた指導を受けてきている。高校で結果が出なかったが、期待は大いにある。

 アスリート系の代表として、勝又温史(日大鶴ケ丘)は日本ハムが好みそうなタイプだ。高校通算本塁打は30発を超え、ストレートの球速は150キロと二刀流の才能にあふれている。米倉と同じく高校では開花しきれなかったが、多彩な才能は日本ハムの育成環境に入れば、爆発的な伸びが期待できる。

 このほかでは左投手の厚みを増すのも重要なポイントだ。大学生では高橋優貴(八戸学院大)、中村稔弥(亜大)のほか、いつも西武に持っていかれる富士大から左腕・鈴木翔天も狙いたい。(文・氏原英明)

●プロフィール
氏原英明
1977年、サンパウロ生まれ奈良育ち。地方新聞社勤務を経て、03年からフリーライター。夏の甲子園は03年から大会をすべて観戦取材するなど、アマチュア野球に精通。現在のプロ野球選手のアマチュア時代を知る強さを生かし、プロの現場でも成長ぶりを追いかける。一方、最近では個性がどう生かされているかをプロアマを問わず観戦の主眼に置いている。近著には「甲子園という病」 (新潮新書)がある。