まず、ネタ時間について。昨年までは決勝のネタ時間は4分だったのだが、これが1分伸びて5分になった。この1分はコントを作る側の芸人にとってはかなり大きな違いだという。もともと芸人たちはライブではもっと長い7~8分のネタを演じている。それをコンテスト用に無理やり縮めて3分や4分のネタを作っていることが多いのだ。尺が長くなれば、その分だけ笑いどころを増やせるし、物語も展開しやすくなる。いわば、ネタが本来見せたい状態により近づくことになるのだ。ネタ時間が長くなったことで、面白いネタはより面白く感じられる。いわば、実力者がそのポテンシャルを発揮しやすくなる。これは明らかに良い変化だった。

 次に、ファイナリストの当日発表について。昨年まではライブで準決勝が行われた後、決勝当日よりも前にファイナリストが発表されていた。だが、今年はそれが伏せられ、決勝当日に順番に明かされることになった。

 ファイナリストが発表されてから決勝を迎えるまでは、当事者である芸人にとっては期待と緊張が高まる貴重なひと時である。また、お笑いファンは自分の好きな芸人が決勝に進んだことを喜び、ファイナリストの顔ぶれを見て優勝するのは誰なのかを予想したりして楽しむ。その楽しみが奪われてしまったということで、お笑いファンの間ではこの変更点に関して異論を持つ人が多かった。

 だが、あくまでも番組単体として見た場合、ファイナリストが事前に発表されているかどうかで大きな違いはないように感じられた。むしろ、次に誰が出てくるか分からないというのは、期待感をあおる効果もそれなりにあったと思う。

 そして、ファイナルステージ進出が3組になったことについて。決勝のファーストステージでは10組の芸人が1本目のネタを披露する。そして、昨年まではその中の上位5組がファイナルステージに進み、2本目のネタを演じていた。しかし、今大会ではファイナル進出が3組だけに絞られることになった。この変化が勝敗に大きな影響を及ぼした。

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