野上:民主党政権になる前も後も行っています。沖縄のことって永田町ではずっと大事な話で、どの政治家を担当してもくっついてくる。東京ではないけど、東京の一部みたいな場所です。だからといって、東京では日常生活で意識している人はほとんどいない。

村本:AbemaTVのニュース番組「AbemaPrime」で辺野古移設の議論をした時(対談前日に放送)、作家の竹田恒泰さんが「オール沖縄と言っているが翁長さんが選挙で勝った時も25万票対35万票くらいだった。オールではない」と言う。なぜ、翁長さんの信念の先に思いを馳せないのかと不思議なんです。

野上:沖縄の負担の話では、森本(敏)元防衛相が一番、語っていたんじゃないですか。意外でした。

村本:番組が終わった後、僕のところに来て「その視点は鋭すぎる。今日も学びをありがとう」と言ってくれて、握手をしました。元防衛相の森本さんは言いにくいはずなのに。年を取ると縛られなくなって、人と仕事がいい具合に交じってくる。

野上:森本さんが防衛相をしていた頃、現場で見ていたけれど、村本さんと話す中でつい本音が出てしまったんじゃないかな、なんて気がしました。

村本:「朝まで生テレビ!」に出た時、森本さんだけが「自分の思ったことを一生懸命言う姿勢を持った若者が大事」と言ってくれた。好きになれば、「もっと知りたい」「もっと聞きたい」となる。今、僕たちには選択する情報も少ないわけです。こっちに宿題を与えて、褒めて大人にしようとしてくれる人は最高ですね。

野上:西部邁さんもそういう大人だったんでしょうね。

村本:西部さんのことは「選挙に行ったことがない面白い人がいる」と堀潤さんから聞いていました。ツイッターにずっと「会いたい」と書いていたら、AERAが声を掛けてくれた。でも、最初西部さんは僕と会うのを嫌がっていたんです。でも、1時間だけって決めて、対談が実現しました。「青年、飲もうじゃないか」と言ってくれて、西部さんの自宅で酒を飲んで喋っていると止まらなくなった。僕は気になったことを聞くわけです。すると、西部さんもぐっと身を乗り出して、「君は芸人にしておくのはもったいない。東大のその辺の教授より素晴らしい」と言ってくれる。3時間くらいお酒を飲みながら、二人の楽しいセッションが続きました。

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村本さんが「もう、たまらなかった」