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妊活中や妊娠中の「葉酸サプリ」その効果とは? 医師が指摘する摂取の注意点

連載「ちょっとだけ医見手帖(森田麻里子医師)」

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妊娠3カ月を過ぎてから葉酸サプリメントを摂取するのは、明らかなメリットがあるとまでは言えない(※写真はイメージ)

妊娠3カ月を過ぎてから葉酸サプリメントを摂取するのは、明らかなメリットがあるとまでは言えない(※写真はイメージ)

 神経管閉鎖障害を予防する効果と比べると、不妊症に対する効果ははっきりしていません。しかし、いずれにしても妊活中は葉酸サプリメントを飲んだ方が良いですし、希望があれば、男性が葉酸サプリメントを飲んでも構わないと思います。

 それでは、妊娠3カ月以降、葉酸のサプリメントは飲み続けたほうが良いのでしょうか?

 葉酸は、神経だけでなく、赤血球を作るのに必要な栄養素でもあります。厚生労働省の資料では、妊娠中は普段より240マイクログラム多く摂取することが必要とされています。

 しかし、葉酸サプリメントを高用量で内服したり、妊娠後期まで内服すると、喘息のリスクが高まるかもしれないという可能性もあります。1998年から2005年にかけて、557人の赤ちゃんを追跡したオーストラリアの調査によると、妊娠後期に葉酸サプリメントを1000マイクログラム摂るごとに、3歳半のときに喘息になっているリスクが1.23倍になるという結果が示されました。この機序としては、ネズミの実験から、葉酸がDNAに作用して呼吸器系のアレルギーのリスクが高まる可能性が指摘されています。

 一方で、関連を否定する研究も複数発表されており、葉酸サプリと喘息の関係を調べた論文をまとめて解析すると、葉酸と喘息の関連ははっきりしないという結果も出ています。今の段階ではっきりしているのは、妊娠前から妊娠3カ月にかけて、400マイクログラムの葉酸サプリメントを飲んだ方が良いということです。

 妊娠3カ月を過ぎてから葉酸サプリメントを摂取するのは、明らかなメリットがあるとまでは言えないでしょう。妊娠前~妊娠初期にかけての葉酸サプリメントは、摂取量があまり多くなりすぎないよう400マイクログラム程度にし、妊娠中期に入ったら量を減らすか、サプリはやめて食品から積極的に摂取するので十分かもしれません。

◯森田麻里子(もりた・まりこ)
1987年生まれ。東京都出身。医師。2012年東京大学医学部医学科卒業。12年亀田総合病院にて初期研修を経て14年仙台厚生病院麻酔科。16年南相馬市立総合病院麻酔科に勤務。17年3月に第一子を出産。小児睡眠コンサルタント。Child Health Laboratory代表


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森田麻里子

森田麻里子(もりた・まりこ)/1987年生まれ。東京都出身。医師。2012年東京大学医学部医学科卒業。12年亀田総合病院にて初期研修を経て14年仙台厚生病院麻酔科。16年南相馬市立総合病院麻酔科に勤務。17年3月に第一子を出産。小児睡眠コンサルタント。Child Health Laboratory代表

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