ユーミンに「浮足立つなよ」と松任谷正隆が忠告した意味とは? (2/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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ユーミンに「浮足立つなよ」と松任谷正隆が忠告した意味とは?

連載「LOVE YOU LIVE!」

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神舘和典dot.
バッファローチェックのシャツにタンクトップ、ショートパンツという“勝負服”で「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018」のステージに上がったユーミン。モニター画面に陽に焼けて引き締まったふくらはぎが映し出されると客席がわいた。(Photo by seitaro Tanaka)
https://yuming.co.jp/

バッファローチェックのシャツにタンクトップ、ショートパンツという“勝負服”で「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018」のステージに上がったユーミン。モニター画面に陽に焼けて引き締まったふくらはぎが映し出されると客席がわいた。(Photo by seitaro Tanaka)
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ステージの下手側でバンドマスターを務め、キーボードを演奏した松任谷正隆。「夕涼み」のイントロで弾いたローズピアノのインプロビゼーションには、色鮮やかだからこそ悲しくもなる夏の切なさがにじんだ。(Photo by seitaro Tanaka)

ステージの下手側でバンドマスターを務め、キーボードを演奏した松任谷正隆。「夕涼み」のイントロで弾いたローズピアノのインプロビゼーションには、色鮮やかだからこそ悲しくもなる夏の切なさがにじんだ。(Photo by seitaro Tanaka)

「松任谷さんからは、浮足立つなよ、と言われていたけれど、実際にステージに上がると、オーディエンスの数はまったく気になりませんでしたね。ステージに出て目の前のお客さんたちを眺めて、あっ、大丈夫だ、と。5万人のフェスでも、5000人のホールでも、緊張感は同じ。私はありとあらゆる興奮や緊張を体験しているからね。2000年代の初めに、音楽とサーカスとシンクロナイズド・スイミングやアイススケートをコラボレートさせたシャングリラというスケールの大きいエンタテインメントをやりました。あのステージに立ったときの武者震いを経ているので、もう、たいがいは大丈夫」(ユーミン)

 1曲目は「Sign Of The Time」。時が教えるもの、時代の示唆などの意味をはらんだ曲を松任谷は選んだ。しかし、フェスの主催者側からは反対意見も。「誰もが知るヒット曲、代表曲から始めないと不利です。客が逃げてしまいます」と強くアドバイスされたという。正論だ。客層はユーミンのいつものツアーとは違う。この日は7つのステージに計51組のアーティストが出演していた。きゃりーぱみゅぱみゅのファンもいる。スキマスイッチのファンがいる。サンボマスターのファンがいる。ヘヴィメタルのバンド、マキシマムザホルモンのファンも大量にいた。ほぼアウェイの環境。目の前のパフォーマンスに興味を持てなければ、客が別のステージに流れていくリスクはある。

「でも、僕は譲らなかった。10代、20代のオーディエンスが集まり、若いバンドもたくさん出演する夏フェスで、46年のキャリアを持つ由実さんが歌うんです。大人として、しっかりとテーマを持つべきだと思った。だから、今さまざまなことに気づくとき、というメッセージ性のある『Sign Of The Time』を1曲目に持ってきました。この曲で去っていくような客は、何を歌っても去っていきますよ」

 松任谷には確信があったのだ。


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