――「ギネス世界記録を一番持っている」という記録もあるんですか?

 そのカテゴリーは作っていないんです。というのも、記録挑戦を日課にしている方もいるので「今いくつ持っているか」ということを出していないんです。一番持っている方はアメリカのアシュリータ・ファーマンさんという男性です。彼は700以上の記録を達成し、今も200以上の記録を持っています。

――日本ではどんな方が一番記録を持っているんですか?

 チェリー吉武さんというお笑い芸人の方が「1分間で○○をする」という記録をたくさん保持しています。イギリス本国でもテレビに出られていて、向こうでは子どもたちから「ミスターチェリー」として親しまれています。

 チェリーさんは今、17個の記録をお持ちだったと思いますが、ここも日々変わっていくところですね。最初に挑戦されたのは「お尻でクルミをより早くたくさんつぶす」という記録です。(2018年7月末時点)

――テレビでよく「ギネス挑戦」「ギネス更新か」というような番組を見ます。

 タモリさんの『笑っていいとも』のように長く続く番組は認定されていますね。また、番組内で企画として挑戦されることも多いですが、タイトル保持している方は皆さんかなり追求されているので、その場で記録達成をするというのはなかなか難しいのかなと感じています。

――昔、あるアイドルグループが連続ドーム公演をしたことがギネス認定されるかもしれないと話題になっていましたよね。

 ドームの連続公演数での記録はないですね。「これはギネス世界記録に載っちゃうね」というようなコメントをされているのも見かけますが、その後、申請が来ないものもあるので、すべて認定されているわけではないんですよ。

――最近ではどういうカテゴリーが人気ですか?

 町おこしを目指したものも多いですね。あと、時代の流れでオンライン系の記録も増えてきました。セルフィーをアップロードした数だったり、テーマに合った写真を投稿している数だったり。さっきの「まる」のYouTube再生が多いというのもそうですね。

――これまで色んな記録に立ち会った中で、印象的な記録はありますか?

 できたてほやほやの記録ですが、ポカリスエットの記録(ポカリガチダンス)は印象的でした。「TVコマーシャル向けに同時に踊った最多人数」という挑戦で、3,770人の中高生が記録として認定されました。大人数だったので監査法人と監視員58名が立ち会って、カメラも5台使用して、二重方式でチェックしたんです。

 実は、本番前に「この状態だとダンスとしてカウントできないかな」と思える学生もいたんです。でも、本番になると踊れるようになっていて、「合わせてきた!」と。お昼休みもずっと練習していたんですね。CMとして使われて初めて認定されるので、あの日は「達成する人数はいました。後は実際に放送されれば認定です」と言って終わったんです。後日、放送されたCMを見て、ギネス世界記録に認定して、じーんときちゃいましたね。中高生のスポーツドラマというか、夢中になって挑戦してくれるというのは本当にすごいし、パワーをもらえますね。

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「一番キツい」と思った記録認定は…