日本人初の公式認定員の石川佳織さん (撮影/福井しほ)
日本人初の公式認定員の石川佳織さん (撮影/福井しほ)
ギネス認定された人・もの(編集部作成)
ギネス認定された人・もの(編集部作成)
ギネス認定された人・もの(編集部作成)
ギネス認定された人・もの(編集部作成)
3,770人の中高生が記録認定されたポカリガチダンス(提供写真)
3,770人の中高生が記録認定されたポカリガチダンス(提供写真)
「ウォーリーの格好をして集まった最多人数」カテゴリに3度挑戦し、世界一に (c)ハウステンボス/J-18583
「ウォーリーの格好をして集まった最多人数」カテゴリに3度挑戦し、世界一に (c)ハウステンボス/J-18583

 あらゆるものを記録化し、世界一を認定する「ギネス世界記録」。イギリスで1995年に始まり、現在、「カテゴリー(記録)」は5万件に到達。2017年には年間の申請や問い合わせが4万7千件に上った。その内容は幅広く、8月8日にはフリーアナウンサーの高橋真麻さんが「1分間でティッシュを何枚抜き出せるか」という記録に挑戦し、見事116枚のティッシュを抜き出し記録を更新した(これまでの記録は75枚)。ともすれば「一つくらい簡単に取れるかも」と思いがちだが、日本人初の公式認定員の石川佳織さんは「実はハードルが高い」と明かす。実際、真麻さんの記録を見た極楽とんぼ・加藤浩次さんは「あんなの簡単に超えてやるよ!」と宣言。高速ティッシュ抜きに挑戦したが、記録は88枚。しかも、「ティッシュの箱を両手で触った」としてまさかの失格。いったい、どういう記録が認定され、ハードルはどの程度なのか――。石川さんに裏側を語ってもらった。

【こんなにたくさん! 日本でギネス認定された人・もの】

*  *  *

――どのくらいの確率で世界一に認定されるんですか?

 パーセンテージは出していませんが、決して多くはありません。カテゴリーを新しく作る場合は、そもそも申請の段階で審査に通らないこともあるんです。ギネス世界記録には「測定」「証明」「標準化」「更新」という4つの基軸が存在します。同じ“土俵”で同じものを使って世界中の人が挑戦できるものでなければいけません。それに記録の本質は、破られて更新されること。例えば、「1カ月毎日○○をし続けます」といったものは一度達成すればそれ以上の更新ができない、つまり破ることができないので、ギネス世界記録にはなりません。

 新規カテゴリーを開く時はガイドラインを作成します。例えば、競技だと「スタート時の手のポジション」「何センチ離すか」といった細かいルールから決めていきます。同時に、記録の”最低条件”をつけます。ガイドラインを満たせばすべて認定されるのではなく、過去の類似カテゴリーの記録や各分野の専門家の意見から「最初の世界一にふさわしい数値」を算出し、最低条件を設定しているんです。現在、カテゴリーは5万件以上もあるんですよ。

――5万件もあるんですね!

 そうなんです。人間だけでなく、動物や地球全体すべての記録を網羅することが私たちのミッションです。動物の記録だと「まる」というがいるんですが、「YouTubeで最も多く視聴された動物」として2017年5月にギネス世界記録に認定されています。

著者プロフィールを見る
福井しほ

福井しほ

大阪生まれ、大阪育ち。

福井しほの記事一覧はこちら
次のページ
日本で一番ギネス世界記録を持っているのは…