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<甲子園決勝>金足農が“最強”大阪桐蔭を倒すにはどうすればいいのか?【西尾典文】

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金足農・吉田輝星 (c)朝日新聞社

金足農・吉田輝星 (c)朝日新聞社

 今年の全国高校野球選手権はいよいよ今日、8月21日の14時に決勝戦を迎えるが、春夏連覇を目指す大阪桐蔭(北大阪)と、東北勢としても初優勝が懸かる金足農(秋田)の対戦となった。大阪桐蔭は、21世紀に入ってから選抜3回、選手権3回と6度の優勝を果たしている現代の高校野球で最強のチームである。今年の主力となる3年生もドラフト1位候補の根尾昂、藤原恭大を中心に早くから逸材揃いと言われた世代であり、春の選抜では連覇を達成するなど結果を残し続けてきた。全国から能力の高い選手を集めているのだから強いのは当然という声は、いつの時代の強豪私立にも投げられるものだが、それだけで勝てるほど現代の高校野球は甘いものではない。大阪桐蔭と同様にスカウティングに力を入れているチームは数多く存在しているが、全国で結果を残すことができているチームは数少ない。

 ちなみに大阪桐蔭のメンバーは岐阜県出身の根尾や佐賀県出身のエース・柿木蓮など、県外の選手も確かに含まれているが基本的には関西出身の選手の割合が高い。そして関東の強豪校に関西出身の選手がいることは珍しくないが、関西の高校に関東出身の選手が所属しているケースはほとんど見られない。また入学前にスーパー中学生と評判になった選手でも、高校進学後は伸び悩むケースが少なくないが、大阪桐蔭のメンバーはしっかりと超高校級の選手に成長しているのだ。かつての明徳義塾(高知)や智弁和歌山(和歌山)は甲子園では結果を残すものの、プロで活躍する選手の数は少なかったが、大阪桐蔭出身の選手達は各チームでレギュラーを獲得し、球界を代表する選手に成長している。まさに勝ちながらプロ野球選手も育てるという意味では80年代のPL学園(大阪)に匹敵すると言えるだろう。

 一方の金足農はチームカラーも戦い方も全く正反対な色を出して決勝まで勝ち進んできた。守備面はとにかくエースの吉田輝星が大黒柱。ここまで秋田大会からの9試合を一度もマウンドを譲ることなく一人で投げ抜いている。ちなみに1980年以降で地方大会から一人で全て投げ切って優勝した投手は金村義明(81年/報徳学園)と森尾和貴(92年/西日本短大付)しかいない。仮に、吉田が決勝も一人で投げ抜いて優勝すれば、26年ぶりの快挙になる。さらに言うと、ポジションの変更も含めた選手交代すら一度もなく、完全に9人固定のメンバーで戦ってきたのだ。しかも全員が県内でも近隣の中学出身であり、また全国でも数少ない県立の農業高校ということもあって、まさに地方の片田舎のチームが大躍進を遂げているのである。しかし、吉田という大会ナンバーワン投手を擁しているとはいえ、冷静にチーム力を分析すると、大阪桐蔭が圧倒的に有利な状況に変わりはない。大阪桐蔭の勝つ確率は9割以上と考えるのが妥当なところだろう。では、そんな下馬評を覆すにために金足農が必要なことは何かを考えてみたいと思う。



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