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難治がんの記者が考えた、政治家が「握手」をする理由

連載「書かずに死ねるか――「難治がん」と闘う記者」

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野上祐(のがみ・ゆう)/1972年生まれ。96年に朝日新聞に入り、仙台支局、沼津支局、名古屋社会部を経て政治部に。福島総局で次長(デスク)として働いていた2016年1月、がんの疑いを指摘され、翌月手術。現在は抗がん剤治療を受けるなど、闘病中

野上祐(のがみ・ゆう)/1972年生まれ。96年に朝日新聞に入り、仙台支局、沼津支局、名古屋社会部を経て政治部に。福島総局で次長(デスク)として働いていた2016年1月、がんの疑いを指摘され、翌月手術。現在は抗がん剤治療を受けるなど、闘病中

愛用している体温計。表示に毎回、一喜一憂

愛用している体温計。表示に毎回、一喜一憂

 日常的でない行為だからこそ、言葉だけでは表現できない思いまで表すことができる、ということだろうか。

 知り合いの政治家が「握手をすると、相手が本当に応援してくれるかわかる」と言っていたのを思い出した。好意を伝えつつ、ときには相手の真意をはかる。支援者や同僚議員、緊張関係にある相手と、政治家がのべつ幕なしに握手する理由がなんとなく分かる。

  ◇
 コロンビア戦の熱気が一段落した27日午前5時。薄闇の中で目覚めると、全身がポッと火照っていた。わきの下で体温計がピッと鳴る。「40.0」と表示されていた。いったんは入院を覚悟したものの、幸い、熱は下がりだした。

 落ち着いたところで朝日新聞の朝刊を手に取ると、1面トップにこんな見出しが並んでいた。

「細野氏 選挙中に5000万円受領 証券会社から 当初報告せず」
「監視委調査後に返却」
「『政治資金 個人で借り入れ』」
「解説  処理方法に疑問 説明責任」

 記事には細野豪志元環境相の四角い顔写真が添えてあった。

 細野氏の初当選は2000年。投開票日の夜、私の顔をのぞき込み、「今後もご指導をお願いします」と両手で握手を求めてきたのは、この顔だった。

 落下傘候補として静岡県三島市に住み着いた彼は、沼津支局員で三島市を担当していた私の1学年上。

 当時はお互いまだ20代だった。


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野上祐

野上祐(のがみ・ゆう)/1972年生まれ。96年に朝日新聞に入り、仙台支局、沼津支局、名古屋社会部を経て政治部に。福島総局で次長(デスク)として働いていた2016年1月、がんの疑いを指摘され、翌月手術。現在は闘病中

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