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過呼吸が「伝染」するのはなぜ? 女性が注意したい「過換気症候群」のメカニズム

連載「ちょっとだけ医見手帖(山本佳奈医師)」

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山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバーザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバーザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

5月11日夕方、女子高校生7人が救急搬送され騒然とする新橋駅前SL広場(撮影/松永卓也)

5月11日夕方、女子高校生7人が救急搬送され騒然とする新橋駅前SL広場(撮影/松永卓也)

 最も古い報告は、1861年から1865年にかけて行われた「南北戦争」にさかのぼります。戦場で、多数の兵士たちが不安や緊張から動悸や息切れ、呼吸困難などを訴えたのでした。現在、過換気発作の誘引の多くが、不安や緊張、恐怖、パニック、ストレスだと言われています。2015年のオーストリアのPfortmueller医師らの報告によると、過換気症候群を認めた男女616名中586名、なんと95.1%もの患者さんが恐怖の症状を訴え、35.7%がストレスを訴えていたと言います。他に、同年、JR東京総合病院救急部門の山口陽子医師らは、2009年から2012年の3年間で過換気症候群と診断した653名において、嘔吐や腹痛、めまい、胸痛、動悸、頭痛、発熱も過換気発作を引き起こす誘因として認めたと報告しています。 

 過換気症候群はどのような症状を引き起こすのでしょうか。先ほどのPfortmueller医師らの報告によると、過換気症候群を認めた男女616名のうち、61.5%に感覚異常を生じ、49.7%にめまい、28.7%に胸部痛を生じたといいます。他にも、呼吸苦、しびれ、嘔気、腹痛、嘔吐、意識消失、頭痛、動悸といった症状を呈することも報告されています。こうした身体の症状は、患者の不安をより一層高め、交感神経が緊張することでさらに過呼吸を引き起こし、時に激しい全身のけいれんや無呼吸状態を伴うこともある、とAndrews医師らは言います。

■20代女性に多く見られる過呼吸。季節も関係する?

 ところで、過換気症候群を生じやすい年齢や性別があるのを、ご存知でしょうか。実は、男性よりも女性に多く見られ、また10代から20代にかけて最も多く見られることが知られています。先日の新橋での救急搬送も、女子高校生の若年女性でしたよね。2013年に神戸市立医療センター西市民病院の大倉隆介医師らは、2004年から2010年で過換気症候群と診断されたた474名中、女性は389名と全体の82.1%を占めていたと報告しています。また、男女ともに20代が全体の33.8%を占め、最も多かったといいます。


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