高卒1年目とは思えぬ打撃で新人王を獲得した清原 (c)朝日新聞社
高卒1年目とは思えぬ打撃で新人王を獲得した清原 (c)朝日新聞社

 開幕から盛り上がりを見せている日本プロ野球。一つの注目ポイントがルーキーたちの活躍だ。昨季は源田壮亮(西武)が新人歴代3位の155安打、京田陽太(中日)が同4位の149安打をマークしたが、果たして今年はどうなるか。その予想の前に、これまでの“すごかったルーキーたち”を振り返りたい。

 投手では、やはり野茂英雄の名が真っ先に挙がる。新日本製鉄堺からドラフト史上最多の8球団競合の末に近鉄に入団すると、22歳で迎えたプロ1年目の1990年、4月29日のオリックス戦で当時のプロ野球タイ記録となる17奪三振をマークする衝撃のプロ初勝利。その後も代名詞のトルネード投法で球界を席巻し、シーズン29試合に登板して18勝8敗、防御率2.91、287奪三振、勝率.692で最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率のタイトルに加え、ベストナイン、新人王、MVP、沢村賞と怒涛の8冠。瞬く間に球界の景観を塗り替えた。

 だが、その野茂よりも数字上で上回っていたのが権藤博である。ブリヂストンタイヤから22歳で中日に入団すると、プロ1年目の1961年にシーズン130試合の半分以上の69試合(先発44試合)に登板し、35勝19敗、防御率1.70と驚異的な記録を残した。32完投12完封、429回1/3を投げて310奪三振と、現代野球では考えられない成績を並べ、「権藤、権藤、雨、権藤」の流行語も生んだ。新人王はもちろん沢村賞、ベストナインも受賞した。

 近年では、上原浩治(巨人)だろう。大阪体育大からドラフト1位(逆指名)で巨人に入団すると、プロ1年目の1999年に「サンデー上原」としてシーズン15連勝を飾るなど旋風を巻き起こし、25試合に登板して20勝4敗、防御率2.09、勝率.833、179奪三振で最多勝利、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率の4冠を獲得。さらに新人王と沢村賞も受賞した。同じ年は松坂大輔も西武入団1年目で、高卒ルーキーながら16勝(5敗)で最多勝に輝いたほか、防御率2.60、151奪三振の好成績を残した。その他、新人記録となるシーズン72試合登板&41ホールドをマークした益田直也(2012年、ロッテ)、同じく新人記録の37セーブをマークした山崎康晃(2015年、DeNA)の活躍も記憶に新しい。

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野手の「最強ルーキー」は?