「あるたけし軍団の芸人さんは、たけしさんが抜けたら『1年で潰れる』と嘆いていました。オフィス北野は、ネタ番組などに事務所の方から営業をかけないんです。基本、仕事待ちのスタンスで、“たけしさんバーター”ばかりなのです。ガダルカナル・タカさん(61)や浅草キッドさんなど、仕事のある芸人たちを結束して売り込んでいくしかないですよね。現場のスタッフはこれから大変になるでしょう。一方、オフィス北野には芸人以外にも俳優陣がいます。世界的に有名な北野武映画に出ることで、なんとか株を上げてきたんですが、所属俳優らを売り込み続けるほどたくさんスタッフがいるわけではない。こちらもどうなるか、心配している関係者も多い」(同)

 今回の報道を受け、一世を風靡した「たけし軍団」の面々の“動揺”も報じられている。例えば、井手らっきょ(58)は3月8日に出演したラジオ番組「大竹まこと ゴールデンラジオ!」で、故郷である本に活動拠点を移すと発言。また、たけしは事務所独立に際し、軍団の一部メンバーにオフィス北野の株式分け与えたい意向を示したが、水道橋博士(55)はこれを固辞したという(3月26日放送のTBS系『ゴゴスマ』での発言)。

 軍団のメンバーはすでに高齢となっており、体を張った芸が特だった彼らも苦しくなってきている。一方でたけしといえば、後輩思いのエピソードに事欠かない。有名なのがラッシャー板前(54)への引っ越し祝いの話だろう。ラッシャー板前がたけしから「引っ越し祝いは何がほしい?」と聞かれ、「洗濯機がほしい」と答えたところ、タライと洗濯板が送られてきたとうエピソードだ。タライの裏には現金100万円が入った封筒が入っていたオチだが、軍団メンバーなどから語られる「たけし伝説」はどれも豪快で、枚挙にいとまがない。

 さらに、芸人だけでなくマスコミ関係者からの信頼も厚い。「(客員編集長を長年務めている)東スポといまだに懇意に付き合っているのは、たけしがフライデー襲撃事件の謹慎から復帰した当時、批判的な団体がいて、同紙が守ってくれたことがあるからだといわれています」(同)というように、過去の借りは長く大事にするタイプといわれている。

 これまで多くの後輩芸人や関係者から愛されたたけしだが、事務所と決裂した今、たけし本人のみならず、たけし軍団メンバーたちの今後の動向にも注目が集まっている。(ライター・今市新之助)