宇野のフリーの演技は、最終滑走、さらには羽生結弦、ハビエル・フェルナンデスのあとを受けて始まった。冒頭の4回転ループでいきなりの転倒。しかし、その後は目立つミスもなく安定した演技だった。

 渡部氏は宇野の成長をこう評価する。

「最初のジャンプでミスをしてしまって、そこから良く崩れず、立て直したと思います。最後までやりきったことは非常に良かった」

 宇野を銀に導いたといっても過言ではない樋口コーチに対し、こうエールを送った。

「きっと皆さん、嫉妬もあるでしょうから、コーチは批判を気にせず、指導を続けていってほしいと思います」(渡部氏)

 人気者のコーチは辛いよ、というべきか。(田中将介)