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 今度はコリジョンで判定が覆った話を紹介する。7月21日、またしても因縁の阪神vsヤクルト(神宮)だった。そして、この日も中村のプレーが問題になった。

 阪神が7対0とリードの7回2死二塁、4、6回に来日1、2号を連発の絶好調男・ロジャースが左前安打を放つ。二塁走者・俊介が本塁を衝いたが、レフト・バレンティンの好返球で、ボールはアウトのタイミングで中村のミットに収まった。牧田匡平球審の判定も「アウト!」。

 ところが、これでスリーアウトチェンジと思いきや、三塁側ベンチから金本監督が飛び出し、「中村が走路を塞いだ」と激しく抗議した。

 確かにタイミングはアウトでも、コリジョン適用となれば、話は別だ。奇しくも前年5月11日の巨人戦(甲子園)で、原口文仁が走路妨害を取られ、セリーグ初適用のコリジョンで本塁アウトをセーフに覆された経験を持つ金本監督にしてみれば、当然の言い分だった。

 約4分間のリプレー検証の結果、「中村がブロックしている」と判断され、一転セーフに。中村にも警告が出された。

この試合に1対11と大敗したヤクルトは、セリーグワースト記録の16連敗まであと「2」の14連敗。中村のブロックがあった時点でほぼ勝敗は決していたとはいえ、泥沼連敗を象徴するプレーとしてファンの脳裏にインプットされたのも事実だった。

 ちなみにコリジョンルールは、ヤクルト戦で阪神・マートン絡みの本塁上のトラブルが頻発したことから、2015年7月の12球団監督会議で真中満監督が問題提起して導入されたもの。

 回り回って、言い出しっぺが割りを食うという皮肉な結果は、野球も例外ではない?

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7月12日のDeNA戦(マツダスタジアム)で、あっと驚く本塁大ジャンプを披露した岩本貴裕が、8月16日の阪神戦(京セラドーム大阪)でも、珍プレー(珍判定?)の当事者になった。

 7回、広島は代打・新井貴浩の左前タイムリーで4対2と突き放し、なおも2死一、三塁。このチャンスに代打で登場した岩本は、桑原謙太朗から左翼線に長打性の大飛球を放った。

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なぜ?どうして?カープファンも困惑