「下村さんの場合は、事故からそれほど時間が経たないうちに受診され、画像で漏れがはっきりと確認でき、早めの処置ができたので、治療がうまくいきました」(中川医師)

 脳脊髄液減少症は、早期では安静にするなどの保存療法で治る場合もある。保存療法がうまくいかない場合には、ブラッドパッチ治療で8割程度の人が快方に向かうという。ただ、診断が遅れ慢性化してしまうと、治りにくい傾向にあるとも中川医師は注意を促す。

(文・伊波達也)

※週刊朝日MOOK『新「名医」の最新治療2015』から抜粋。所属は取材当時