■これからの時代、「固定」はリスクになる

――就業時間の短縮などを導入する会社は増えていますが、現状の働き方改革に冷たい視線を送る人も少なくありません。遠山社長は昨今のこうした風潮をどのように捉えていらっしゃいますか。

 私は特段、最近の働き方改革について思っていることや、これといった意見はありません。ただここ数年、私がひしひしと感じているのは「100歳まで生きる」ということが、とてもリアルな時代になってきたということです。長生きしたくなくても生きてしまうこの時代、これからの未来には年金なんかなくなるし、子どもの仕送りを期待して生きることなんてできない。家賃を払って、ご飯を食べて、生きがいとか友だちとか、すべて自分で見つけなくちゃいけない。そう考えた時、ひとつのリスクは“固定”という概念だと思ったんです。

――「固定がリスクになる」とは、どういうことでしょうか。

 簡単に言うと、もっと人生を柔軟に生きてもいいのではないかということです。働き方についても同じ。ひとつの会社という同じ環境の中にいて、毎日同じ仕事ばかりこなしていると、自分で自分なりの生き方を見つけられないまま時間だけが過ぎていきます。だから、もっと働き方を“試し打ち”できるような環境が必要だと思い、今年の4月に「業務外業務」というサービスを立ち上げました。

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