■彼らには、豊かな生き方・働き方のトップランナーでいてほしい

――スマイルズはもともと遠山さんが以前所属していた三菱商事の社内ベンチャーだったそうですね。当時の経験があるからこそ、今のようなユニークな取り組みも実践できると。

 はい。今振り返ると、会社というセーフティネットがある中で、いろいろな空気を吸って、いろんな景色を見れたことは、私にとってすごくいい経験だったと思いますね。だから、スマイルズの社員にも目の前のことだけじゃなくて、いろんな経験をしてほしいんです。

――社員にいろいろな経験をしてもらうために、具体的に何か取り組んできたことはありますか。

 例えば、交換留学ならぬ「交換留職」というのを何度かやったことがあります。これは我が社と他社の社員を試しに短期間交換してみるというものです。「交換留職」を通して、「留職先」の会社で結婚相手を見つけて、人生が変わったという社員もいますし、新しいビジネスの種もそこから生まれました。レモンの産地として知られる瀬戸内海の離島「豊島(てしま)」に、“泊まれるアート作品”として昨年7月に開業した「檸檬ホテル」も、元をたどればベネッセホールディングスが出資する「直島文化村」にスタッフが「交換留職」したことがきっかけで誕生したものなんです。

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