そこで初めて「我に返れるのだ」という。「こりゃまずい。相手に嫌われる」「もう戦いは始まりそう」ということを瞬時に理解して、その姿を上から見て冷静になれるのだ。

 怒りが込みあげてきたときに、自分を上から3D映像で客観的に観察するという手法は、自分のものにするのに時間はかかるが、できるようになったら非常に有効だ。常に練習していると自然とできるようになっていく。

 しかも、この技は身につけておいたほうが何かと便利だ。この方法は何も「無駄な戦闘防止」に用途が限られるわけではない。ここ一発の勝負のときすべてに使えるのだ。

 例えば、大事なプレゼンや講演をしているとき、“自分の前に座っている聴き手”の視点を持てるようになる。聴衆の立場で話ができるようになるのだ。そうなると、緊張してしまうこともなく、どこがポイントか理解しながら、そこに情熱を込めたり、スピードをコントロールしたりしながら、いい話ができるようになる。大事な友人や交際相手との勝負のときも、幽体離脱を使うと、冷静に相手の立場に立って自分を見ながら自分をコントロールできる。

 これができるようになるには訓練が必要だが、人生をストレスなく楽しく謳歌するためには最高の武器になるのでおすすめしたい。自分を見るもう一つの目、これを第三の目、という人もいる。第三の目を持とう。