全国の大学の学長が注目する学長データは「大学ランキング2018」から。編集部調べ
全国の大学の学長が注目する学長
データは「大学ランキング2018」から。編集部調べ

「大学ランキング  2018」(朝日新聞出版)/2268円(税込み)
「大学ランキング  2018」(朝日新聞出版)/2268円(税込み)

 「大学ランキング2018」(朝日新聞出版)では、全国の大学の学長に「注目する学長」を聞いた。教育者・研究者として尊敬できる学長、あるいは、大学運営で手本にしたい大学の学長は誰か。

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 大学ランキング誌では、1996年から学長が注目する学長を聞いている。

 1位は京都大の山極寿一総長で、67人の学長が名前を挙げた。国公私立大学、地域を問わず多くの学長から支持されている。ゴリラ研究で有名な霊長類学者だが、国の大学行政にきちんと意見を言えるところが、人気を集めた要因でもある。

 山極総長は「大学ランキング2018」で、「世界の大学ランキングだが、そのまま受け入れるのは愚の骨頂であろう」「グローバル化を意識しすぎて、英語による授業を大々的に採り入れるという考え方は間違っている」と語っている。この言に、快哉を叫んだ学長もいた。

 先ごろ、日本学術会議の会長に就任した。大学が軍事研究にどう関わるかについての発言が注目される。

 2位は法政大の田中優子総長。学内の事務職員の一部では「ゆうこりん」の愛称があるという。今年、法政大は志願者数を初めて10万人台に乗せ、近畿大に次いで全国2位となった。これについて、大学関係者はこう話す。

「志願者数を押し上げたのは女子学生が増えたことによる。ゆうこりんのリベラルな思想が、母親に受け入れられて、それが娘に伝わったのではないか」

 田中総長は、教授という肩書で「安倍9条改憲NO! 全国市民アクション」の発起人、「安全保障関連法に反対する学者の会」の賛同者に名を連ねていた。

 山極総長、田中総長ともにメディアによく登場しており、大学の「広告塔」としての役割も担っている。

 一方、上位には全国的に有名ではない大学、著名とは言えない学長も顔を出している。

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