訓練しないと「妻に共感」できない夫たち その練習方法とは? (2/5) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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訓練しないと「妻に共感」できない夫たち その練習方法とは?

連載「男と女の処世術」

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西澤寿樹dot.#夫婦#男と女#破局#離婚

男女の間には絶望的な溝があると臨床心理士の西澤寿樹さんは指摘する。埋めるための方法はあるのか… (※写真はイメージ)

男女の間には絶望的な溝があると臨床心理士の西澤寿樹さんは指摘する。埋めるための方法はあるのか… (※写真はイメージ)

「なんでそんなひどいこと言うの!」

「君こそ、なんでそんな嫌がらせをするんだ!」

 大喧嘩の後、2人は別れてしまいました。

 何が悪かったのでしょう。一つの問題には常に突っ込みどころは複数ありますが、ここでは「ごはん」という言葉に注目します。日本人なら誰でも知っていることですが、「ごはん」という言葉は「食事」という意味と、「米飯」という意味があります。彼らは留学生、A君は「米飯」という意味のみ、Bさんは「食事」という意味しか知らなかったようです。

 2人は同じ言葉を違う意味で使っているのに、厄介なことに誤解が解消しない程度に意味が近いのです。そのため2人とも誤解があるとは気づかず、かつ自分の理解が正しいと信じて疑っていないのです。これでは混乱が起こるのは当然です。実は、男女のコミュニケーションにも、前回お話しした傷ついた気持ちへの「危機介入」にも必須の「共感」は、そんな誤解が起こっている言葉です。

 共感にはこんな使い方をされています。

(1)当社の企業理念はお客様の共感を得ている
(2)映画の主人公の生きざまに共感した
(3)妻の気持ちに共感しますが……
(4)彼は共感してくれない

 これらの「共感」は内容が明確な別の言葉に置き換えたほうが、意味がはっきりします。

(1)の意味は「同意」「合意」
(2)は「感動」もしくは「同感」
(3)は「理解」
(4)は「同じように感じる」

です。

 これらを2つのグループに分けるとしたら、どう分類しますか? 私は(4)の一部とそれ以外に分けます。それぞれをもう少し解説します。共感とは、「共」と「感」からなります。

(1)の「当社の企業理念はお客様の共感を得た」は意思表示や考えの合致です。つまり<感>ではありません。言葉をどう使おうと自由ですが、私には共感という言葉が、聞こえがいいから使っているように思えます。

(2)「映画の主人公の生きざまに共感した」は、情緒なので<感>ではありますが、映画という刺激によってもたらされた自分の情緒です。実は<共>という概念が入っていません。


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