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メッシに救われたアルゼンチン なぜW杯予選で苦しんだのか? 足を引っ張った協会の「ドタバタ劇」

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ホルヘ・三村dot.

W杯南米予選最終節でハットトリックを決めた、リオネル・メッシ(写真:Getty Images)

W杯南米予選最終節でハットトリックを決めた、リオネル・メッシ(写真:Getty Images)

 2014年ブラジルワールドカップ(W杯)準優勝のアルゼンチンは、2018年ロシアW杯予選で失速に次ぐ失速を続け、W杯出場圏外の6位まで順位を落として最終節を迎えた。その相手はエクアドルで、会場は標高2800メートルのキト。勝たなければならない試合だが、アルゼンチンは高地が苦手。しかも、早々と先制を許してしまった。そのピンチを救ったのはリオネル・メッシ。自身初となるW杯予選でのハットトリックを決め、チームは劇的な予選突破を果たした。しかし、アルゼンチンはなぜこれほど苦しんだのだろうか。

 W杯南米予選は2015年の10月から始まった。そのときアルゼンチン代表の指揮を執っていたのは、パラグアイ代表監督などで実績のあるヘラルド・マルティーノだった。ブラジルW杯で母国を1990年イタリア大会以来の準優勝に導いたアレハンドロ・サベーラ監督は、健康面の不安を理由に同大会をもって勇退。その後任に、アルゼンチン協会は迷うことなくマルティーノを選んだ。初陣はホームでエクアドルに敗れたものの、その後は2引き分けをはさみ3連勝と勢いに乗った。しかし、突然辞任してしまう。

 南米の王者を決める大会はコパ・アメリカ。最近は4年に一度の開催だが、2015年と2016年は連続して行われた。15年は通常の大会で、16年は100周年の節目ということで、北中米カリブの国々も参加しての記念大会だった。そして両大会とも決勝戦はチリ対アルゼンチンで、チリが連覇を飾っている。マルティーノの辞任は、この2年連続しての決勝戦敗退の責任を取ってのものだった。ブラジルW杯から3大会連続の準優勝に国民は、「銀メダルはもういらない」と代表を非難した。サポーターにとって2位とは、“準優勝”という栄えあるものではなく、“決勝戦での敗者”という位置づけだった。


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