「難治がん」と闘う新聞記者が小池百合子から考える、若者に伝えたい投票の心得 (2/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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「難治がん」と闘う新聞記者が小池百合子から考える、若者に伝えたい投票の心得

連載「書かずに死ねるか――「難治がん」と闘う記者」

野上祐(のがみ・ゆう)/1972年生まれ。96年に朝日新聞に入り、仙台支局、沼津支局、名古屋社会部を経て政治部に。福島総局で次長(デスク)として働いていた昨年1月、がんの疑いを指摘され、手術。現在は抗がん剤治療を受けるなど、闘病中

野上祐(のがみ・ゆう)/1972年生まれ。96年に朝日新聞に入り、仙台支局、沼津支局、名古屋社会部を経て政治部に。福島総局で次長(デスク)として働いていた昨年1月、がんの疑いを指摘され、手術。現在は抗がん剤治療を受けるなど、闘病中

今回の選挙はとても大切だと思うから、伝えておきたい…(※イメージ写真)

今回の選挙はとても大切だと思うから、伝えておきたい…(※イメージ写真)

――まず君に思い浮かべてほしいのは、一杯の氷水だ。氷はやがて解ける。それを冷凍庫で冷やしてもしばらくは水のままだが、ある点を超えると、また氷になる。固体から液体へ、液体から固体へ。水温が摂氏何度という「量」の変化が、「質」の変化をもたらす境目がある。

 今回の選挙も同じだ。いまの与党と野党の当選者が全体の「3分の2」や「2分の1」を上回ったり、下回ったりすることで、世の中が大きく変わる可能性が出てくるのだ。

「3分の2」とは憲法を変えようと提案(発議)するのに必要な国会議員の人数だ。憲法を英訳したconstitutionには「体質」という意味があるぐらいで、これを変えるかどうかは人びとが暮らす社会のありように大きく関わってくる。もちろん、変える、変えないのどちらが望ましいかは自分の考え方次第だ。水と氷に優劣がないのと同じように。

「2分の1」は文字どおり、過半数を占めるかどうかの境目だ。政党同士は協力したり離れたりして多数派、つまり与党をめざす。

●候補者の全体像にも注意を

 君たち姉妹は3カ月前に病院まで見舞いに来てくれた。そのとき話していたように、奨学金制度や子育て支援など、投票先を決める基準はほかにもある。これまでの地方選挙では選挙公報で候補者の政策を見比べて投票先を決めていたと聞いて、感心した。

 ただ、知っておいてほしいのは、自分なりの基準で投票先を選んでも、結果的に相手が掲げるほかの政策も支持したことになる、ということだ。子育て支援に熱心なところにひかれて票を投じたら、憲法についての考え方は違った。あるいは、憲法では支持できるのに、奨学金ではいまひとつだった――。そんなことはざらにある。


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