仮に共謀罪が、民主主義を死に至らしめかねない「がん」だとしよう。法案が成立して法律になったとしても、それはまだ病気を体に宿したに過ぎないのではないか。政権交代による法改正といった「切除」も視野に入れるべきか、まずは定点観測をする。そして動きがあるにせよないにせよ、定期的に報じていくことが必要なのではないか。

 目のつけどころとして、すぐに思いつくのは摘発件数だ。が、それが表に出てくるのはかなり進んだ段階である。ただ、血液検査と違って数字で比べるのは難しい。どんな項目に注意すればいいかと素朴な想像をめぐらせた。

 たとえば法律の具体的な運用方針だ。捜査当局の内部ではどれぐらい詰まっているのだろうか。これとかかわる捜査手法の議論はどうだろうか。来年度予算案の概算要求に関連予算は計上されたのか。与野党の政治家はいま、どんな動きをしているのだろうか――。

●どんな動きに注目するのか

 もちろん、言うは易しだ。こうして書いていても、目の前の動きを日々追いかけている仲間たちが実行に移すのは簡単ではない、と思う。

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