制作発表を行った松任谷由実さん(右から3人目)ら (撮影/金城珠代)
制作発表を行った松任谷由実さん(右から3人目)ら (撮影/金城珠代)

 ユーミンの名曲と演劇を融合したエンターテインメント『朝陽の中で微笑んで』(松任谷正隆脚本・演出)の制作発表が17日、東京都内で開かれ、歌とストーリーテリングを務める主演のユーミンこと松任谷由実さんや俳優陣が意気込みを語った。

 14年に公演した『あなたがいたから私がいた』では、座長弁当として「陸路、空路を駆使して会席料理を運んだ」というユーミンは、記者団から今年も何かアイデアがあるのかと問われ、

「後戻りは許されません(笑)。みなさんに喜んでもらえるのが楽しみの一つです」

と煙に巻いた。

 舞台の制作発表でしばしば話題になる座長弁当は帝国劇場に限らず、主演を務める座長が役者や関係するスタッフに食べ物を差し入れるというもので、座長の思いや心意気を伝える一つの通例となっている。

 広報担当者によると、「季節のものや座長の思い入れのあるものを差し入れされる方が多く、舞台によって違いますが一般的には100人以上の人が関わっているので、座長弁当も100食以上になるケースが多い」という。

 W主演となる俳優の寺脇康文さんは、食べたいものを聞かれ「流しそうめん」と「職人が握る寿司」をリクエスト。同じく出演する元AKB48の宮澤佐江さんは「わー幸せ!」と歓声を上げ、「甘いものが欲しいです!」とちゃっかりと追加注文した。

 ユーミンは「流しそうめん」は衛生的に問題があるとダメ出ししたが、「ライブ感のあるものをお求めですね?」と俳優陣の要望を聞き取った。

 現在ツアー真っ最中で家を留守にしがちなユーミンだというが、

「たまに帰ると、松任谷正隆がパソコンに向かって一生懸命、脚本をつくっていて、『こういうシチュエーションの歌は無かったっけ?』と問いかけられて、『あのアルバムにあったかも』という会話をしています」

と二人三脚で舞台に向かっている様子も明かした。

 また、かつて飼っていたに正隆氏が「お座り」や「待て」などを教え込んだエピソードを披露して笑いを誘いながら、「完成形(のイメージ)をぶれさせない。そこに行くまでしつこく積み重ねていく演出家。私が言うのも何ですが尊敬しています」と語り、正隆氏の不倫疑惑も報じられたが、改めて夫について評価した。

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