松居一代さんと船越英一郎さん (c)朝日新聞社
松居一代さんと船越英一郎さん (c)朝日新聞社

 先週から毎日のようにマスコミを騒がせている“松居一代劇場”。一時期はおしどり夫婦で有名だった松居さんと船越英一郎さんの今の夫婦の姿は、誰もが陥る可能性のある夫婦の闇と、温度差を象徴しているのかも知れません。そこで、こうならないための回避策を、行政書士で『一生幸せなふたりでいるための10のワーク』(朝日新聞出版)の著者でもある、結婚・夫婦についてのプロ、湯原玲奈先生に聞きました。

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 夫婦に必要なのは、期待ではなく信頼です。「あなたのことを信じているよ」と言いながら、本当は「じぶんが思っている通りのことをしてくれると信じている」のではありませんか? それは信頼ではなく期待です。

 夫婦に期待は不要です。相手に対して「こうしてくれるはず」という期待をすると、じぶんが思っていることが与えられずにがっかりします。じぶんの想いを期待として相手に注いでいると、相手からも同じ量の見返りを期待してしまうので、じぶんの期待したストーリーと違う展開になると、「じぶんはないがしろにされているのではないか」と感じてしまいます。勝手に期待しておきながら、勝手に落ち込み、被害妄想に……。私たちは普段から実にたくさんの「勝手な先入観」に支配されているのです。これを繰り返していくと、いつしか「どうせ彼はわかってくれないから」とあきらめてしまうようになってしまいます。でも、あきらめる前に、信頼し合う関係をつくることもできるのです。

(1)お互いを理解することで尊重が生まれる

 夫婦に必要な信頼感は「じぶんが尊重されている」と相手を信じられることです。この信頼のポイントは、「お互いが相手の今を理解して認めていて、それも相手もわかっている状態」をつくることです。

 例えば、相手が連絡をくれない場合でも、もし相手があなたの状況を理解してくれていると信じていられたら、連絡をくれないことには、何かよっぽどの理由があるのだろう、と思えるはず。一方的な怒りにふりまわされることなく、何かあったのかもしれないと相手の事情に思いを馳せる余裕ができます。お互いが相手を理解し合うことで、信頼感が生まれるのです。

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