錦織が全仏2回戦で見せた“壮絶プレー” 「理想像」に近づいたか? (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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錦織が全仏2回戦で見せた“壮絶プレー” 「理想像」に近づいたか?

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内田暁dot.
全仏2回戦、地元フランスのシャルディに勝利した錦織圭。(写真:Getty Images)

全仏2回戦、地元フランスのシャルディに勝利した錦織圭。(写真:Getty Images)

「僕のプレーが悪かったとは思わない。ただケイのプレーが凄まじすぎて、対処法を見出すことが全くできなくなっていた」

 全仏オープン2回戦の対戦相手・ジェレミー・シャルディが残した言葉が、この日の試合を象徴する。試合時間はわずか1時間58分。スコアは6-3,6-0,7-6で、しかも第1セット終盤から第3セット序盤に掛けては、錦織が12ゲーム連取という一方的な展開だった。

「今日は、ポジティブな面がすごく多かった。あれだけのプレーができれば誰が相手でもチャンスはある」

 錦織本人が吐く言葉も、初戦後のそれとは対極に位置した。

 わずか2日前の試合の後、会見室での錦織は勝者であるにもかかわらず、「今日の反省点はいっぱいあるので……。これから直していかなくては」と、終始厳しい表情を崩さなかった。事実、初戦の錦織はタナシ・コキナキスの深いストロークに差し込まれ、後手に回る局面が多かった。約3時間の戦いの末に勝利は手にしたが、「トップ選手に値しないようなミスがすごく多かった」と、彼は自らを戒めた。

 その「反省点」を分析し、対処策を見つけ、見事に修正してきた姿を彼は、2回戦のコート上であますことなく対戦相手に見せつける。シャルディも初戦の相手のコキナキスと同様に、球種にたけた高速サーブと、破壊力に満ちたフォアハンドが武器。その攻撃自慢のシャルディ相手に錦織が意識したのが「主導権を握れるように深い球を打つ」ことと、相手の弱いサイドである「バックに打つ」こと。サーブでもリターンからでも相手に先んじて攻めるべく、「1~2球目をすごく意識してプレーした」のだと言った。

 機先を制して打ち合いを支配し、自ら攻めて相手の時間を奪っていけば、おのずと錦織の創造性が発揮される時間帯も増えていく。鋭くコート外に切れていくアングルショットからストレートへの展開や、深く強いショットで相手をコート後方に押し込んでから沈める、残酷で柔らかなドロップショット――それら錦織が奏でるプレーのリズムに、シャルディは自らのテニスを完全に失った。


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