秀島史香(ひでしま・ふみか)/ラジオDJ、ナレーター。1975年、神奈川県茅ケ崎市生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。大学在学中にラジオDJデビュー。J-WAVE『GROOVE LINE』、NHKラジオ『英語で読む村上春樹』のほか、NHK総合『着信御礼!ケータイ大喜利』などのテレビ番組にも出演。映画、テレビ、CM、アニメなどのナレーション、美術館音声ガイド、機内放送など活動は多岐にわたる。J-WAVE SPECIAL『VERMEER, 37 STORIES~光の王国~』で第49回ギャラクシー賞『ラジオ部門選奨』受賞。現在Fm yokohama『SHONAN by the Sea』、JFN系列局『Pleaseテルミー!マニアックさん。いらっしゃ~い!』に出演中
秀島史香(ひでしま・ふみか)/ラジオDJ、ナレーター。1975年、神奈川県茅ケ崎市生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。大学在学中にラジオDJデビュー。J-WAVE『GROOVE LINE』、NHKラジオ『英語で読む村上春樹』のほか、NHK総合『着信御礼!ケータイ大喜利』などのテレビ番組にも出演。映画、テレビ、CM、アニメなどのナレーション、美術館音声ガイド、機内放送など活動は多岐にわたる。J-WAVE SPECIAL『VERMEER, 37 STORIES~光の王国~』で第49回ギャラクシー賞『ラジオ部門選奨』受賞。現在Fm yokohama『SHONAN by the Sea』、JFN系列局『Pleaseテルミー!マニアックさん。いらっしゃ~い!』に出演中

 軽快なトークで人気のラジオDJ・秀島史香さん。DJ歴20年だけに、これまで多くの人をインタビューしたり、ゲストに迎えたりしてきました。自著『いい空気を一瞬でつくる 誰とでも会話がはずむ42の法則』で明かした、ビートたけしさん、笑福亭鶴瓶さんに初めて会ったときに感じた、永遠のようで、一瞬のような10分間を、特別に紹介します。

*  *  *

 いわゆる「エライ人」は、必ずしも偉そうにしていません。エライ人に会うことを事前に恐れて心配するより、現場でその懐にエイッと飛び込むほうが、上手に受け止めてもらえることもあります。

 私がMC(番組進行役)を務めていたNHK『BSコンシェルジュ』の企画で、ビートたけしさんの収録現場にインタビューをしに行くことになりました。

 1980年代に人気を博したバラエティー番組『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)をかぶりつきで見ていた私は「天下のたけしさんにお目にかかれる!」とうれしい反面、スタッフからそのお話を聞いた瞬間から早くも緊張していました。

「盛り上がらなかったらどうしよう……」

 しかも、その回のゲストは笑福亭鶴瓶さん、所ジョージさん!? ビッグなお三方、「変なことを言って場がシーンとなったらどうしよう……」と不安の無限ループが続きます。

 そして当日。たけしさんの収録が終わった後、そのスタジオにお邪魔して、ご挨拶と打ち合わせがあって本番という段取りでした。ですが、番組スタッフから、こんな連絡が……。

「収録時間が押しているので、事前のご挨拶、打ち合わせの時間は省かせてください!」

 ということは、ぶっつけ本番でスタジオに入って、インタビューを開始するわけです。戸惑っている時間はありません。

 スタジオの重いドアを開けて中に飛び込み、まだセットの椅子に座っているお三方にうわずる声で「どうもー!」とご挨拶すると、

「え? あんた誰?」と鶴瓶さん。

「演歌歌手?」とたけしさん。

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