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青木宣親 「日米通算2000本」が持つ本当の“意味”

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杉浦大介dot.
今季好調で日米通算2000本安打が迫るアストロズ・青木宣親(写真:Getty Images)

今季好調で日米通算2000本安打が迫るアストロズ・青木宣親(写真:Getty Images)

 今季からアストロズでプレーする青木宣親が、移籍1年目は好調なスタートを切っている。現地時間4月23日のレイズ戦で3打数2安打、25日のインディアンス戦で4打数3安打を打ち、この時点で打率.364、出塁率.408と数字はハイレベル。層の厚いチーム内で定位置は約束されていなかったが、最初の19戦でスタメン11度は悪くないペースと言って良い。このままチームの信頼を勝ち得れば、外すのが難しい存在になることも可能だろう。

 25日のゲームを終えた時点で、青木は日米通算1981安打(日本で1284本、メジャーで697本)。日米通算2000安打という節目の記録まで、あと19本に迫っている。この“日米通算記録”という微妙なレコードに関しては、これまでも様々な形で議論があった。

 昨季中にイチローがピート・ローズの持つ通算安打記録に日米合計で並んだ際、そのレコードの価値が話題になったのは記憶に新しい。日程、球場など様々な点で違う2リーグの記録を、比べるだけでなく合計してしまうのは実際にかなり強引だ。そんな無理をせずとも、日本、アメリカでのそれぞれの実績で讃えれば良いだけのことではないか。

 ただ、その一方で、青木の“2000本安打”が日米両方で少なからず伝えられることは意味のあることに思える。正式な記録ではなくとも、34歳になった日本人外野手の足跡を振り返り、評価する絶好のチャンスになるからだ。

 特に青木はメジャーでは絶えず、過小評価されていた印象がある。日本では3度も首位打者に輝きながら、2012年のブリュワーズ入り時には入団テストまで受けさせられた。その後、メジャーで5年連続打率.280以上、出塁率.350を残しながら、依然として知名度は低いまま。マリナーズでプレーした昨季8月以降は打率.355、OPS.925をマークしながら、再びFAになって入団した今季のアストロズでも半レギュラーという微妙な扱いでのスタートになった。

 パワー不足、守備の数値の低さといった物足りない部分があるのだから、スター扱いされないのは仕方ない。しかし、昨季終了時での青木の通算三振率.089は1000打席以上の現役選手の中でベストの数値である。明白な長所も持っている選手だけに、スペシャリストが重宝される米球界で、もっと感謝されても不思議ではないように思えてならないのである。

 アメリカでは騒がれるのは3000本安打以降だから、“日米通算2000本安打”は大きなニュースにはならないだろう。それでも多少なりとも報道されて、青木が日米両方で安定した成績を積み重ねてきたことに気づくファンはいるはずだ。そして、その後に今季も最初の19戦で13勝と好スタートを切ったアストロズの上位進出に貢献できれば……。

 2017年は青木がメジャー6年目にして適切な形で感謝されるシーズンになるかもしれない。例え巨大なマイルストーンではなくとも、日米通算2000本安打はその1年に華を添える1つの大切な節目にはなり得るはずなのである。(文・杉浦大介)


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