一方の下位チームは、ソフトバンクが今宮健太、途中から中村晃が1番に座っているが、1番打者のトータル成績は打率.235、0本塁打、3打点と低迷。多くの選手が“日替わり1番”を務めているロッテも、1番打者のトータル成績は打率.149、1本塁打、2打点。日本ハムは西川遥輝が全試合で1番に座るも、打率.231、2本塁打、3打点。リードオフマンの働きが、打線全体に差を生み、そのままチーム成績に反映されている。

●WBCメンバー外への影響

 あとは何度も言われていることだが、今春のWBCの影響がやはりある。ただ、不振を脱出した前出の秋山や好調を維持する内川聖一らの面々もおり、決して「WBC出場=シーズン不調」の方程式がすべての選手に当てはまる訳ではないだろう。

 そこで目立つのが、高い実力を備えながらもWBC本大会メンバーに選ばれなかった選手たちの奮闘ぶりである。投手陣ではオリックスの金子千尋と西勇輝がともに防御率1点台で、特に金子はここまで3勝0敗、防御率1.29と絶好調。西武の菊池雄星も2勝1敗、防御率1.50と大きく進化した姿を披露している。野手陣では、2015年秋のプレミア12で侍ジャパンの4番を務めた中村剛也(西武)が開幕17試合連続ヒットをマークして打率.348、5本塁打、17打点と絶好調。打率トップの近藤健介(日本ハム)こそトップチームの召集歴がないが、打撃成績上位に名を連ねる浅村栄斗(西武)、銀次、岡島豪郎(ともに楽天)といった面々は今春のWBCメンバーには選ばれなかったが、侍ジャパン召集歴もある選手たちだ。

 セ・リーグを見ても、防御率部門では又吉克樹(中日)、小川泰弘(ヤクルト)の2人が上位5傑にランクイン。打率部門では大島洋平(中日)、阿部慎之助(巨人)が1位&2位だ。侍ジャパンの奮闘ぶりを自らのモチベーションへと変え、しっかりと調整した選手たちが、春のプロ野球界を引っ張っていると言える。

 いずれにしても、パ・リーグの逆転現象はいつまで続くのか。現状、このまま最後まで突き進んでしまいそうなほど、上位と下位のチームの間には大きな差がある。