緑に囲まれた広大な敷地に、大学本館や大学病院、ドクターヘリが常駐するヘリポートなどがある。大学本館と研究棟の建物も洗練された美しさだ。それもそのはず、東海高校出身の世界的な建築家・黒川紀章氏の設計だと聞き、納得。

「1972年の開学当初の志願者は約350人でしたが、ここ5年間は2535人から3183人が志願しています。近年、南山女子や愛知淑徳などからの女子学生が増え、女子の比率は45%と高いです。国際バカロレア入試も実施していて、17年度入試では1人合格しました。国際交流にも力を入れ、留学プログラムを用意しています」

 副学長で医学部長の岡田尚志郎教授が、そう語る。17年度から、6年間の学費を380万円値下げすることもあり、さらに注目されている。

 16年度入試の志願者を出身高校の所在地別にみると、愛知県が696人で23.3%。愛知県から入学した学生は34.8%とさらに比率が高くなる。16年4月現在の学生の出身高校所在地をみると、愛知、岐阜、三重、静岡の東海エリアが57%を占める。

「勉強は自分でやることが大事なので、本学は学生の自主性に任せた自由な校風です。6年になるとグループ学習ができるセミナー室や個人ブースの視聴覚室を備えた『医心館』で勉強します。成績不振の学生のフォローも万全で、勉強合宿などを実施しています」(岡田副学長)

■学費値下げで注目度大。藤田保健衛生大の実力

 名古屋市南東の豊明市に位置する藤田保健衛生大も、地元率が高い。16年度入試の合格者に占める愛知県出身者の割合は約4割。入学生に占める割合となると53%で、入学生の2人に1人が愛知県の出身者だ。

「17年度から、6年間の学費を640万円引き下げ、2980万円になります。さらに、今までは受験生1人に対して面接官4人の面接を1回行うだけでしたが、1対1の面接を8回行うことにしました。これにより、医師として最も大事な素養についてこれまで以上に評価することができます。患者中心の医療ができる優秀な学生に入学していただけると考えています」

 星長清隆学長は、面接や学費の変更についてそう説明し、さらにこう続ける。

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