市川海老蔵・小林麻央夫妻(c)朝日新聞社
市川海老蔵・小林麻央夫妻(c)朝日新聞社

 歌舞伎役者の市川海老蔵(39)とその家族に密着したドキュメンタリー番組「市川海老蔵に、ござりまする」(日本テレビ系)が1月9日に放送され、海老蔵の妻の小林麻央(34)が、がん公表後初めてテレビ番組に出演した。

 同番組は海老蔵とその家族に密着したドキュメンタリーの第4弾。昨年6月に会見で麻央が乳がんを患っていることを公表しているが、番組はその前後の一家の様子を追ったものになっていた。

 番組の中で海老蔵は、麻央の病状について、昨年10月時点で次のように話していた。

「絶対に治らないレベルの病気だった。今年(2016年)の3、4、5月でもうダメだった。本当に綱渡りのような、綱のないようなところを渡ってきて。まさか手術できるとは思わなかった。(手術)したから治ったというわけじゃないんですが。ここから普通のがんの人の戦いが始まるという感じ」

 麻央はがん公表後の昨年9月にブログを開設し、その月にはがんの転移があること、10月にはQOL(生活の質)向上を目的とした手術を受けたことなどを明かしていた。さらに、海老蔵は「今だから言える」として、麻央の厳しい病状についてこう話した。

「今だから言えるけど、今年の夏は絶対に無理だった。すでにこの時点(10月)ですごいことが起こっているんです」

 また、番組終盤には闘病生活を送る麻央の姿も映し出された。帽子を目深にかぶり、マスクをして病院のベッドに横たわる麻央を、海老蔵が見舞う日常風景が映し出され、その後、麻央自身ががん公表後初めて、カメラを前にインタビューに応じる姿が収められた。

 麻央のインタビューが収録されたのは今年の1月4日。ショートカットのウィッグに薄化粧を施した麻央が、夫・海老蔵への思いを語った。

「闘病してから1年以上過ぎたときに『もう1年以上も迷惑をかけて、これ以上迷惑をかけられない』と言ったことがあるんです。そうしたら主人が『1年がなんだよ。ずっとなんだよ。麻央のお母さんがずっとお母さんで、俺がずっと麻央の夫で、みんな家族なんだよ。1年がなんだよ。ずっと支えあうんだよ』って言ってくれてその言葉は本当にすごくうれしかったですね」

 また、麻央の病気を経て夫婦関係にも変化があったという

「病気になって私自身、誰かに話したり共有したりしきれない苦しみとか悲しみ、どうしようもない思いっていうのを私なりに経験した中で、いま2年たって。主人が前に言っていたときには私には理解できなかった考え方とか感覚を、少し理解できるというか、想像できるようになった部分が不思議とあって。私が病気をして得たものの一つかなと思っていて。そう思うと、もし私がこの病気を乗り越えて今、私なりにある試練というものを乗り越えられたときに、病気をする前よりもちょっといいパートナーになれるんじゃないかなっていう……」

 そこまで話すと麻央は涙を流し、こう続けた。

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