新垣結衣(c)朝日新聞社
新垣結衣(c)朝日新聞社

 新垣結衣(28)主演の火曜ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS系)、通称「逃げ恥」人気が思わぬ事態を呼んでいる。これまでもドラマのエンディングで流れる「恋ダンス」をまねする人が急増したり、ロケ地として使用された旅館のサイトにアクセスが殺到したりと、多くの余波を起こしてきた「逃げ恥」人気。今回、話題となっているのも「聖地巡礼」についてだ。

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 実は今、ドラマの中で主人公・森山みくり(新垣)とその相手・津崎平匡(星野源)が暮らしているマンションのロケ地がネット上で特定され、そうした情報をもとに現地まで足を運ぶ「聖地巡礼」をする人が増えているようなのだ。

 ネット上では「行ってきた」という声とともに数々の画像があがっているほか、ウェブサイトの中にはマンション名まで明かしてしまっているところもある。

 映画やドラマ、アニメなどのファンが、ロケ地やモデルとなった場所を訪れる「聖地巡礼」はこれまでも多くの人が行ってきている。時には観光誘致や地域活性化にも役立ってきたが、これらはあくまで「観光地」や「公共施設」などがメインだ。当たり前のことだが、ロケ地となったマンションには一般の人が住んでいる。たとえロケ地であっても、毎日を過ごす住居に多くの人が訪れ、ましてやその場所や住居名を明らかにされてしまっては、住民は不安を感じるはずだ。

 すでにこのことは問題となっているようで、TBSは12月17日、ドラマ公式サイトに「逃げ恥 ロケ地について」と題した呼びかけを掲載した。「最近、『逃げ恥』撮影ロケ地であるマンションを訪れ、写真等を撮影したり、住居スペースに入ったりと ご迷惑をおかけするという案件が出てきております」と、実際にロケ地となっているマンションで問題が起きていることを指摘し、「快くお貸しいただいたロケ地は、ドラマで使用されてはいますが、一般の方が生活する居住地です。そのような行為はお控えいただきますよう、お願い申し上げます」と注意喚起をおこなった。

 公式サイトでの呼びかけは影響が大きかったようで、これまでツイッター上で度々見られていた、マンションの実名を明かしたツイートや、マンション画像付きのツイートが、現在はほとんどなくなっている。それだけでなく、この騒動を受けて「聖地巡礼は場所考えてやろうね」「ロケ地巡りで住居侵入はアウトでしょ」「撮ってる人は、自分の住居を撮られても文句は言えないね」と、住居での「聖地巡礼」に対する厳しい声も見受けられるようになった。

 ドラマや映画がヒットすれば、それに付随するように起こる「聖地巡礼」ブーム。逃げ恥人気、そして今回の騒動は、そのマナーについて改めて考える機会にもなりそうだ。