薬を使用して痛みが治まったら、ストレッチや筋力トレーニングなどの運動をすることも大切です。とくに、股関節への負担を抑えつつ、筋力を鍛えられる水中ウオーキングは有効です。

 変形性股関節症は、一般的にはゆっくり進行しますが、急速に悪化するタイプもあります。生活改善、運動療法で痛みが治まらない場合は、再度、治療法について医師に相談しましょう。重症例では変形した関節を取り除いて人工関節を入れる手術を選択することもあります。医療技術の進歩により、人工関節の耐久性は格段に向上し、一度入れれば30~40年使えるといわれています。

 長年、股関節の痛みで歩くのに苦労していたのに、思い切って手術を受けたら痛みがなくなり、元気に動けるようになるケースも多くみられます。現在は医学の進歩により、術後の痛みも軽くなり、早期にリハビリを開始し退院できるようになりつつあります。人工関節を入れる手術の場合、術後数日から歩行リハビリを始め、2~4週間で退院となります。退院後も筋力を保つためのトレーニングを続けることは大切です。すり減った関節は戻らなくても人工関節により、関節が悪くなる前のような生活や趣味を楽しむことが可能な時代になっています。

※週刊朝日MOOK「痛い!首腰ひざのいい病院2017」より抜粋