「この世界の片隅に」の舞台あいさつに登場したのん
「この世界の片隅に」の舞台あいさつに登場したのん
左からコトリンゴ、のん、片渕監督
左からコトリンゴ、のん、片渕監督

 アニメ映画「この世界の片隅に」の初日舞台あいさつが11月12日に行われ、主演声優をつとめた女優・のん(本名・能年玲奈、23歳)、片渕須直監督、音楽を担当したシンガーソングライターのコトリンゴが登場した。

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 今作はこうの史代さんの同名マンガが原作で、クラウドファンディングで4000万円近い製作費を集め、6年の歳月をかけて作られた。戦時中だった1944年の広島県が舞台で、18歳で広島県の呉市に嫁ぐことになったすず(声・のん)は、その翌年に空襲にあってしまう。大切なものを失いながら、それでも生活は続いていき……というストーリー。

 のんは「映画で好きなシーンは?」と尋ねられると「お料理とか、生活をすることを、すずさんが楽しんでる姿がすごく印象的でした。節約するための着物のリサイクルとか、一生懸命なんだけどすごく楽しんでるのがすてきだなと思いました」と、映画で丁寧に描かれているというすずの生活シーンをあげた。

 さらに「これまで自分自身が“生活する才能”がなくて。毎日ごはん食べるとかが苦手だったんです。毎日三食たべるとか、お洗濯するとか、才能がないっていうか……」と、自身を“生活の才能がない”という独特の言葉で表現。それが今作に携わったことで「ご飯をつくったりお洗濯をする楽しさがわかってきて、生活するのが楽しくなりました」という。

 これに片渕監督が「時々、(のんから)『監督も(生活の)才能ない人ですよね』って振られるんです(笑い)」と割って入ると、そんな監督に向かって「生活の才能、ないですよね(笑い)」とのんがダメ押し。監督はそれに笑顔で応じつつ「(のんが)心配して『何か差し入れを買ってきます』って言って、焼きそばパンを買ってきてくれました」と仲の良さを感じさせるエピソードも明かした。

 また、のんは今作の好きなシーンとして、主人公・すずと、その夫・周作の夫婦げんかのシーンもあげ、次のように話した。

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