プロ野球オールスター第2戦、本塁打を放ちガッツポーズをする大谷 (c)朝日新聞社
プロ野球オールスター第2戦、本塁打を放ちガッツポーズをする大谷 (c)朝日新聞社

 “打者”大谷翔平の評価がうなぎ上りだ。

 プロ4年目の今季は1週間の間に投手として先発登板1度(基本的に日曜日)、打者としてDH出場2度もしくは3度(火、水、木曜日)というペースでシーズンを過ごすなか、開幕から投手として白星に恵まれなかったこともあって“打高投低”の様相。5月に打者として出場したゲームで5試合連続本塁打を放つと、交流戦では「5番・投手」などの“リアル二刀流”を実現させながら、前半戦を終えた段階で打率.331、10本塁打、27打点の好成績を残してみせた。

 後半戦は右手中指のマメを潰した影響で打に専念。オールスター後から8月末まで35試合に出場して126打数42安打の打率.333、10本塁打、26打点をマークし、首位・ソフトバンク猛追の原動力として、日本ハム打線の中で不可欠なポイントゲッターとなった。

 昨季は投手3冠(15勝、防御率2.24、勝率.750)に輝いて投手として飛躍を遂げる一方で、打者としては打率.202、5本塁打、17打点と振るわなかった。160キロ超のストレートも相まって、投手としての評価ばかりが上昇していたが、ここにきて打者としても超一流であることを証明し、投・打の評価が双璧をなすようになってきた。それによって、周囲が抱く夢はさらに大きなものになっている。その一つが、史上初となる投打同時タイトルの獲得だ。

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