一方、攻撃面はどうか。その起点は、CBミロシェヴィッチのロングパスである。2トップのアストリト・アイダレヴィッチかミカエル・イシャクの足元に入れ、彼らのポストプレーからサイドに展開するというパターンだ。このため、植田直通と塩谷司がきっちりとポストプレーを封じれば、スウェーデンは攻め手を失う。むしろ、警戒した方がいいのが、ポストプレーを封じられた時の攻撃パターンである。

 それは単純にDFラインの裏にロングボールを放り込み、2人のFWを走らせるというシンプルな攻撃だ。FWには重戦車のような迫力があり、日本守備陣は単純にクリアするか、素早くGKにバックパスするか、それともGKがペナルティーエリアを飛び出してクリアするのか――3つの選択肢を明確にした方がいい。もっとも回避すべきは、どうするのか躊躇しているうちに相手のパワーにボールを失うことである。特に立ち上がりのラインコントロールとGKとの「共通理解」には細心の注意を払うべきだろう。

 なお、9日の公開練習では浅野と南野が別メニューとなった。浅野はコロンビア戦で右足のかかとを打撲。南野は8日の練習後の帰りのバスを降りる際に右足を挫いた。ただ、今のところ、スウェーデン戦に影響はないとのことだ。

(現地取材=サッカージャーナリスト・六川亨)