スウェーデン戦を控えるU-23日本代表選手ら(撮影・兼子眞一郎)
スウェーデン戦を控えるU-23日本代表選手ら(撮影・兼子眞一郎)

 リオ五輪サッカーのグループリーグもあと1試合を残すだけとなった。U-23日本代表は8月10日午後7時(現地時間、日本時間11日午前7時)から、ブラジル・サルバドールでU-23スウェーデン代表と対戦する。リーグ戦突破の最低条件は引き分け以上で、勝利を目指して進むしかない。

 試合前日の9日の公式会見で手倉森誠監督は、スウェーデンの印象について、こう語った。

「とてもオーガナイズされたチーム。待ち構えてブロックという守備は日本と同じ。コンディションを考えれば(相手が)ポゼッションしても、そのボールを狩りに行けると感じる。逆にボールを持った時に相手に狩られないことを考えなくてはいけない」

 スウェーデンは、2015年のU-21欧州選手権の決勝でポルトガルを下し、6大会ぶりの五輪出場を果たした。しかし、出場可能年齢の関係で、リオ五輪のメンバーは当時の主力とかなり入れ替わっている。CBのアレクサンデル・ミロシェヴィッチがOA枠で加わったが、“急造チーム”という印象は拭えない。

 基本システムは4-4-2。相手ボールの際はDFとMFの4人が並列に並び2列の守備ブロックを作る。だが、体力に不安を抱えるのか、前線からプレスをかけるのではなく、あくまで待ち構えてパスが入って来たらアタックに行く“受け身の守備”である。日本としては、ワンタッチ、ツータッチの素早いパス交換で混乱させれば、必ずほころびが生じるはずだ。コロンビア戦の1点目のように、大島僚太が出したパスを南野拓実、浅野拓磨とつないでゴールを奪った2~3人が絡んだ攻撃はより効果的だろう。

 もうひとつの狙い目は、スウェーデンのGKがゴールキックを蹴る時、DFラインを高く上げるため、GKとDFラインの間には広大なスペースができる点だ。高いDFラインはもろ刃の剣だけに、2トップの浅野と興梠慎三にはぜひ狙ってほしいポイントだ。DF陣も常にそのスペースを意識してロングパスを狙った方がいいだろう。

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