競泳界のエース萩野公介(写真:Getty Images)
競泳界のエース萩野公介(写真:Getty Images)

 競泳界のエース・萩野公介の表情に、本当の安堵の色が戻ったのは4月に行われた日本選手権6日目の4月9日だった。前日の200m個人メドレー準決勝終了後、「明日は日本記録はいけると思う。普通に泳げば1分55秒1か0。1分54秒9くらいはいくと思う」と、14年9月に自身が出していた日本記録1分55秒33の更新を示唆していた。

 決勝ではその思惑通りに、最初のバタフライからひとり飛び出し、1分55秒07の日本新で優勝してリオネジャネイロ五輪代表の座を手にしたのだ。

 「4年ぶりの五輪選考会で最初の方は緊張して自分らしい泳ぎの感覚をつかめなかったが、日に日に調子も良くなってきたので…。今日はレース前からどんなタイムが出るかと、久しぶりにワクワクして泳げました。日本記録の賞状をいただいた時は『本当に久しぶりだな』と思いました。今日は素直に自己ベストを喜びたいと思う」

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