しかし、今後ベッキーが心の赴くまま誰かを好きになることを止められるかというと、相当難しいだろうと思う。「金スマ」での彼女の表情には、悲しみと反省の色はあったが、吹っ切れた様子はなかった。わかりやすく言うならば、宮沢りえとの仲を引き裂かれた後の貴乃花のように「一人の人間としての幸せを望むことを捨てた」表情ではなかったのだ。

 女性は、愛し愛される充足感を知ると、人生観が上書き更新される。社会で認められるために全力で仕事を頑張ってきた女性でも、愛し愛される男性と巡りあって結婚した途端、それまでの人生を簡単に捨てられるようになることが多い。

 ベッキーの場合、事務所やクライアントや芸能界への恩義があるのでそう簡単にシフトチェンジできないだろうが、価値観の修正作業が始まったであろうことは想像に難くない。それが完了したら、芸能界で引き続き頑張っていくにせよ、引退するにせよ、何かしら決意を感じさせる行動を取るだろう。ただし、川谷氏との復縁はない。少なくともしばらくの間は。この恋愛のもたらすメリットとデメリットをてんびんにかけたとき、双方にとってデメリットがあまりにも大きいからだ。

 その一方で川谷氏は、王子様にさらわれてみたものの破局、というパターンを今後しばらくは繰り返すかもしれないが、どんな試練や葛藤も作品に昇華できるのがアーティストの特権。「子供だった」と反省した二人が大人になって再会した際には、その気持ちをぜひとも曲にしてほしい。

(文/恋愛アナリスト・ヨダエリ)