ソフトバンクのバンデンハーク投手 (c)朝日新聞社
ソフトバンクのバンデンハーク投手 (c)朝日新聞社

 プロ野球のパ・リーグでは、快記録が生まれた。ソフトバンクのバンデンハークは、10日のロッテ戦で無傷の今季5連勝。9勝0敗だった昨季から合わせると、1度も負けなしのまま連勝を14に伸ばした。

 野球よりサッカーが人気というオランダ生まれのバンデンハークが、故郷からはるかに遠い日本球界に名を刻んだ。デビューから年度をまたいで14連勝は、66年に高卒1年目だった堀内恒夫(巨人)の13連勝を超える新記録。また「デビューから」という条件を外しても、87~88年郭泰源(西武)の持っていた、外国人投手記録の13連勝を塗り替えた。

 守護神サファテがいるため、完投こそ22試合で1度もないが、先発して6回以上を自責点3以下に抑えるクオリティー・スタート率(QS率)は通算86.4%。これは昨年の規定投球回以上の投手に当てはめると、両リーグで前田健太(広島→ドジャース=89.7%)に次ぎ、パ・リーグでは1位に相当する数値(昨季パ1位はオリックス西勇輝の83.3%)。「試合をつくる」という安定感が抜群だ。

 打線が強力なソフトバンクで、援護にも恵まれている。援護率(登板中の味方打線の得点を9回平均に修正したもの)は5.56点。こちらも昨年に当てはめると、両リーグ1位だった十亀剣(西武)の5.33点よりも多い。リードを許したまま降板した3試合でも9回に味方が追いついて黒星を消しており、連勝記録を伸ばす環境が整っている。この点は、王貞治、長嶋茂雄をバックに投げた堀内や、秋山幸二、清原和博、石毛宏典らの援護を受けた郭とも共通している。

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