【Q3.副作用はないの?】

 西洋薬に比べれば少ないですが、漢方薬にも副作用はあります。例えば生薬の麻黄(まおう)には頻脈や動悸(どうき)、不眠、興奮作用などがありますから、過剰摂取に要注意です。ただし漢方薬は通常一つの生薬の作用が過剰にならないように抑える生薬も組み合わされています。

【Q4.どこで手に入るの?】

 漢方薬は医療機関で医師に処方してもらうほか、薬局・薬店で薬剤師に調剤してもらって手に入れることができます。

 エキス製剤であれば西洋医学の一般的な医療機関でも処方してもらえます。

 薬局や薬店にある市販のエキス製剤は医療用のエキス製剤よりも成分の含有量を抑え、副作用を出にくくしています。また漢方専門薬剤師のいる薬局では、煎じ薬の調剤が可能です。

【Q5.薬局より病院で処方してもらったほうがいいの?】

 医療機関では健康保険を使った処方が可能です。一般の医療機関では主にエキス製剤が処方されます。一方、漢方専門医のいる医療機関ではエキス製剤のほか、煎じ薬を処方してもらうこともできます。ただし漢方を専門としている施設の中には、自由診療の場合もあります。保険適用の範囲内での処方では、個人に合わせた治療をするうえで限界があることもあるからです。

 その点、漢方専門薬剤師がいる薬局では、医療機関では手に入らない幅広い生薬を置いているところもあります。

(取材・文/中寺暁子)

※週刊朝日ムック『正しく付き合う漢方2016』より抜粋

東邦大学医療センター大森病院 東洋医学科診療部長
田中耕一郎 医師

北海道大学教育学部、富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒。自治医科大学病院一般内科を経て、東邦大学医学部東洋医学科入局。吉祥寺東方医院院長などを経て現職

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http://publications.asahi.com/news/598.shtml