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震災でなぜ自衛官はPTSDにならなかったのか 元自衛隊メンタル教官が解説

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(更新 2016/3/11 07:00)

あまりにも大きなショックを受けると、同じ刺激でも、2倍、3倍の大きさに感じてしまうことも

あまりにも大きなショックを受けると、同じ刺激でも、2倍、3倍の大きさに感じてしまうことも

 あの震災から5年。当時、災害現場で救助に尽力したのが自衛官だった。救助活動後の自衛官のPTSD(心的外傷後ストレス障害)も心配されたが、実際、ほとんどその症状は見られなかったという。

 それはなぜなのか。元自衛隊のメンタル教官として、災害救助に携わった自衛官の心のケアを担当し、『自衛隊メンタル教官が教えてきた 自信がある人に変わるたった1つの方法』を著した、下園壮太氏に話を聞いた。

*  *  *
 震災では直接的な被災者だけでなく、多くの人が心に傷を受けました。救済活動に携わった自衛官もその仲間です。当時私は陸上自衛官のメンタルヘルス全般を考える立場にあり、現地に赴き被災者、隊員が直面する心理的な脅威も実感しました。精神科の医師たちとPTSDについて危惧したものです。

 ところが、震災後3年目のレビューで、実際には震災のショックによりPTSDになった自衛官はほとんどいないことが明らかになりました。

 さまざまなデータを総合して私たちがたどり着いたその要因は二つあります。

 一つは、震災当時に私たちメンタルヘルススタッフが強調していた「疲労管理」教育が功を奏したのではないかということです。

■ショックの後、疲労により傷つきやすさが残る

 人は通常大きなショックを受けると、傷つき疲れ果てます。しかし、しばらくするとそれを克服するものです。

 ところが、あまりにも大きいショックの場合、出来事対応や感情活動による疲労が非常に深くなり、いわゆる“うつ”状態に陥ることもあります。すると、同じ刺激でも、2倍、3倍の大きさに感じてしまいます。そのメカニズムは、『元自衛隊メンタル教官が教える 「折れてしまう」原因は、ストレスではなく◯◯だった』で紹介しました。

 日常の刺激が2倍のショックや疲労として作用するわけですから、日常の生活を続けていても(いるのに)、なかなか元の自分に戻れないのです。これを遅れて感じる疲労、「遅発疲労」と呼んでいます。


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