なぜゲストハウスは増え続けているのか? 宿泊施設以外の意外な魅力とは (2/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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なぜゲストハウスは増え続けているのか? 宿泊施設以外の意外な魅力とは

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松岡宏大dot.#旅行
豪雪地帯の古民家を改装した「山ノ家」(撮影/Hayashi Masayuki)

豪雪地帯の古民家を改装した「山ノ家」(撮影/Hayashi Masayuki)

1階はカフェになっており、宿泊客でなくても利用できる(撮影/Hayashi Masayuki)

1階はカフェになっており、宿泊客でなくても利用できる(撮影/Hayashi Masayuki)

2階はドミトリー。すっきりとしたオシャレな内装

2階はドミトリー。すっきりとしたオシャレな内装

 東京の清澄白河に事務所を構える空間デザイナーの後藤寿和さんは、新潟県十日町市で古民家を改装したゲストハウス「山ノ家」を経営している。

 オープンは2012年の夏。十日町市・津南町で3年に一度開催されている「大地の芸術蔡 越後妻有アートトリエンナーレ」が行われている土地に空家があると聞き、十日町市松代でゲストハウスをはじめることになった。「農家民宿」という制度を利用して、地元農家と会社を作り、空き家になっていた古民家をゲストハウスにしたのだ。

「最初は芸術祭を観に来る首都圏からの方が多かったのですが、次第に台湾、香港、韓国、オーストラリアと外国人の方も増えていきました。海外のウェブメディアでユニークなゲストハウスがあると取り上げられたり、外国人バックパッカーには口コミで広がっていったようです。もともとこのゲストハウスは芸術祭における海外アーチストの滞在制作の拠点として始めたこともあり、外国人の受け入れに慣れていたというのも理由かもしれません」(後藤さん)

 オープンして3年、「山ノ家」はゲストハウスやカフェにとどまらず、地元の人たちに愛されるコミュニティスペースとなっている。農家の人たちとの山菜採りやちまき作りといったワークショップを企画する一方、東京や海外からアーチストを呼んだイベントも開催している。

「ゲストハウスをやりたいと思ったきっかけは東日本大震災なんです。なにかあったときに、みんなが集まれる場所があるといいなと思ったんですよ。飲んだり、食べたり、泊まったり……。自分がなにかを発信するときに、東京より地方のほうがダイレクトに反応があっておもしろいですね」(後藤さん)

 ゲストハウスは単に宿泊施設の提供ということではなく、大きい経済に依存せずに自分たちでできることをやっていこうという「スモールビジネス」のひとつの形体といえる。

 個性的な空間に滞在できる楽しみや、スタッフとの交流から新しい町の魅力を発見できるゲストハウス。次回の国内旅行のひとつのオプションとして加えてみてはいかがだろうか。(文/松岡宏大)


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