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大卒看護師が多いほど、患者死亡率が低い? 高学歴看護師が増えるわけ

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チーム医療で大切な役割を果たす看護師の、高学歴化が進んでいる 

チーム医療で大切な役割を果たす看護師の、高学歴化が進んでいる 

 看護師がここ数年、高学歴化している。これまでは専門学校や短大で学んだ看護師が主流だったが、2014年、看護師国家試験の合格者に占める大卒者の割合は約30%にのぼり、この10年で約2倍になった。

 大学では看護系学部の新設が相次いでおり、今後さらに多くの大卒看護師が登場する見込みだ。大学で学ぶ意義はどこにあるのか。

 看護教育の草分けとして名高い聖路加国際大学の菱沼典子教授は、大学教育を受けた看護師たちの活躍に期待を寄せる。

「看護師は医師の補助係ではありません。看護師と医師の役割は異なります。医師や看護師、薬剤師や理学療法士など各分野のエキスパートたちがチームを組んで医療にあたるうえで、看護師には患者主体で考え、関係各所をつなぐ役割が期待されます。いわば、チーム医療の要といえる存在なのです」

 菱沼教授は大学教育のその先のニーズも見据えている。

「現場でリーダーシップを取れる看護師には、医師や薬剤師と対等にやりとりできるだけの知識と教養を身につけてほしい。大学教育はもちろんのこと、大学院まで進んで6年教育を受け、医師と対等の関係を築く看護師像も求められているのです」

 東京大学医科学研究所の上昌広特任教授は、看護師の高学歴化は、医療の質を引き上げ、患者の死亡率を下げることにつながると指摘する。

「ヨーロッパ9カ国の300病院と42万人以上の患者のデータから、病院に大卒またはそれ以上の学歴のナースの割合が多いほど、外科患者の入院後30日以内の死亡率が低い、という研究報告があります」

 上特任教授はこうも言う。

「アメリカでは、看護師は高収入職のひとつ。患者と密接に関わり、生活や家族など総合的な背景を踏まえた看護師の仕事は、ロボットやコンピューターでは代用できないクリエーティブな仕事です」

 患者に個別に対応し、多様な職種を結ぶ看護師のニーズは、今後さらに高まると見込まれている。

※週刊朝日MOOK「看護師になる」より抜粋


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